2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ethnography of Hunting Guides in Alaska Native Communities: A New Approach for Revitalization of Hunting Cultures?
Project/Area Number |
22K13264
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 祉秋 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (80779273)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 狩猟文化 / 混合経済 / アラスカ先住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に関しては、8月および2月に現地調査を実施した。8月の現地調査では、狩猟ガイド業をおこなう内陸アラスカ先住民およびヨーロッパ系アメリカ人からなる家族とともに狩猟キャンプでの活動(獲物などの偵察、薪の採集、トレイル、キャンプ地の整備)に関する参与観察を実施した。同時並行で、狩猟ガイド業について長年の経験がある現地在住のA氏にインタビュー調査をおこない、どのような経緯で狩猟ガイド業がおこなわれるようになったかなどの経緯、およびこれまでの顧客やスポーツ狩猟の記憶、今後の見通しについて聞き取った。2月の現地調査では、A家が在住するニコライ村に滞在し、村民に狩猟ガイド業に関する見解、これまでの関わりの有無、狩猟キャンプがあるアラスカ山脈におけるアラスカ先住民の活動の歴史について聞き取った。これらの現地調査により、現在スポーツ狩猟者が滞在して狩猟ガイドとともに狩猟をおこなうキャンプがあるシルバーチップ地域は、内陸アラスカ先住民ディチナニクの伝統的生活圏にあたり、20世紀前半頃までニコライ村の一部の家族にとって生活の拠点となる場所であったことがわかった。その後、1960年代にA氏の義理の親にあたるB氏(故人)が伝統的生活圏を使用し続けながら、現金収入を得る手段として狩猟ガイド業を始めている。2022年度は、アラスカ山脈での狩猟ガイド業がどのような経緯で始まり、現在どのように実施されているかという点を探ることを目的としていたが、その点について十分に情報を集めることができた。2023年度については、年度前半で本研究を中止せざるを得なくなった。2023年度分についてはほとんど助成金を使用しておらず、中止以降、科研費の枠組みでは研究をおこなっていない。
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