2022 Fiscal Year Research-status Report
Policing Taiwanese Activists under Japanese Rule: Cross-Boundary Colonial Policing and Nation
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22K13275
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
許 仁碩 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 助教 (50876307)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 法社会学 / 治安 / 植民地 / 東アジア / 警察 / 社会運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本植民地統治を受けた台湾人活動家はいかに当時の国境を越え、抗日活動を展開しているのか、そして戦前の日本警察はいかに越境的な取締体制を構築したのかを、歴史文献調査によって解明するものである。 今年度は、まず戦前満州国、朝鮮半島及び南洋における台湾人の活動をめぐる先行研究から、当時各地で活動していた台湾人の概要をまとめた。そして、『特高警察関係資料集成』から台湾関連の特高文書を調査し、内地の特高が把握した台湾人活動家の情報を抽出した。また、『台湾総督府警察沿革誌』から、当時台湾から大陸に警察官を派遣したことが分かった。 国立台湾図書館など台湾の文書館に現地調査を行った。『台湾総督府警察沿革誌』など資料集に収録されていない『台湾の警察』、『警友』、『台湾警察協会雑誌』、『台湾警察時報』など文献を調査し、植民地たち湾における政治、社会運動への取締実態の解明を進んだ。また、国立台湾歴史博物館、高雄市市立博物館、旧台中警察宿舎、旧嘉義監獄博物館、歴史建築韓内科など博物館に訪問し、展示、所蔵資料、郷土史資料集、遺族の語り及び研究員、学芸員との情報交換によって調査対象になる台湾人活動家の情報を収集した。国立台湾大学、国立政治大学の台湾史研究者に訪問し、戦前治安史、法制史について情報交換を行った。今まで調査してきた一部成果は、中央研究院法律学研究所で開催された「歴史記憶の倫理」ワークショップに招待され、「戦後日本公安警察の歴史記憶と法執行」をテーマに報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本で入手できる各資料集に収録されている関連情報は、予想以上に情報量が少なく、断片的なものである。これは当時、内地の特高警察と植民地台湾警察は縦割り組織になり、情報共有が十分ではなかったためと考えられている。そこで、現地の文献調査の重要性が増えてきた。しかし、コロナによる水際対策が緩和されたのは2022年10月以降になり、それ以降も航空便の回復遅れや航空券の高騰など、台湾での文献調査を展開しにくい状況が続けてきた。そのため、国立台湾図書館所蔵資料への初回調査は、時間の関係で文献の所在と概要を把握したが、全文を調べ切るまでまたかなり時間かかる。結果として、植民地時代台湾の政治・社会運動、組織、活動家に関する資料調査は結果を上げたものの、「越境的な抵抗」をした調査対象を本格的に絞り込むことに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これから引き続き特高警察と植民地台湾警察の資料調査を進み、縦割り組織によって断片的な資料を整理し、官僚組織の壁を越える全体像を解明しにいく。とりわけ国立台湾図書館の所蔵資料に詳しく調べていく。 政治・社会運動側の資料について、本年度の研究によって把握された運動組織や活動家に関して、戦後に個人の回想録、日記、書信集、オーロラヒストリーなど資料が残される場合がある。これからこうした人物史の資料も取り入れ、それぞれ越境的な経歴を調査しにいく。
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Causes of Carryover |
本研究の調査が完了した後、他科研から台湾への依頼出張を承ったため、旅費(復路の航空券)は節約することができた。翌年度分の旅費に合わせて使用し、より長期間に調査を行う。
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Research Products
(1 results)