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2022 Fiscal Year Research-status Report

「新たな統治者」たるプラットフォームに対する憲法学的統制理論の構築

Research Project

Project/Area Number 22K13287
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

水谷 瑛嗣郎  関西大学, 社会学部, 准教授 (80783688)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsオンライン・プラットフォーム / インターネット / 表現の自由 / 民主主義 / ソーシャルメディア / SNS / アテンション・エコノミー / 放送制度
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、研究成果として論文を1本、学会における研究報告を1本、公表することができた。まず第一に、「放送法制から見たデジタル情報空間」と題した論稿では、まずテレビ放送を取り巻く情報環境の変化を指摘した。現代ではスマートフォンを通じてテレビ番組を視聴するなど、視聴方法の多様化が進んでおり、さらに広告費がオンライン・プラットフォーム事業者に移行し、それに伴い、テレビ番組を制作・放送する民放各局も、オンライン空間に進出したことで、従来の他局間での番組視聴率争いではなく、プラットフォーム事業者との間でユーザーの「注目」を奪い合う競争にさらされている。そうした中で、放送局が維持してきた「国民の知る権利に奉仕する」機能をどのように確保すべきかについて、本稿では、近時ハーバード・ローレビューで紹介された「啓示原則(Awareness Doctrine)」を取り上げ、検討を行った。
第二に、「プラットフォーム企業によるオンライン言論のガバナンス―アメリカの状況を参考に」と題した研究報告を行った。この報告では、現代の表現環境におけるプラットフォーム事業者の台頭を踏まえ、同事業者が行っている「コンテンツ・モデレーション」に着目し、こうしたモデレーションと表現の自由をめぐるアメリカでの議論状況について検討を行っている。アメリカでは、フロリダ州とテキサス州において、プラットフォーム事業者のコンテンツ・モデレーションを規制する州法が成立しており、現在、連邦裁判所で仮差し止めが争われている。またプラットフォーム事業者を「コモンキャリア」に位置付ける議論も登場する中で、「新たな統治者」と呼ばれる同事業者の特殊な(憲法的)地位を踏まえ、これを統御(ガバナンス)する様々なモデルについて、検討を行っている。その中では、よりシステム思考的な「協調的ガバナンス(Collaborative governance)」という手法が注目される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、1本の論文と1本の研究報告を行うことができた。研究成果の公表としては、おおむね予定通りに進展している。

Strategy for Future Research Activity

次年度についても、本年度に行った「プラットフォーム企業によるオンライン言論のガバナンス―アメリカの状況を参考に」の研究報告をベースにした論文の公表が予定されている。また同研究報告の続編となる内容での研究報告も予定されている。また同じく本年度に公表した「放送法制から見たデジタル情報空間」の続編となる論文の公表も予定されている。これ以外に、近時、欧州などで着目されている「デジタル立憲主義」に関する論文も執筆を予定している。同時に、研究計画で予定されていたインタビュー調査についても、準備を進める予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 放送法制から見たデジタル情報空間2022

    • Author(s)
      水谷瑛嗣郎
    • Journal Title

      ジュリスト

      Volume: 1574 Pages: 38-47

  • [Presentation] プラットフォーム企業によるオンライン言論のガバナンス―アメリカの状況を参考に2022

    • Author(s)
      水谷瑛嗣郎
    • Organizer
      法とコンピュータ学会第47回研究会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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