2022 Fiscal Year Research-status Report
企業の国境を越える人権保護義務の研究~サプライチェーンの労働者を念頭に~
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22K13294
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井川 志郎 山口大学, 経済学部, 准教授 (90804344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 人権デューディリジェンス / サプライチェーン / LkSG |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初の計画通り人権デューディリジェンスに関わる従来のソフトロー規範および自治的な取組みについての研究を進めると同時に、海外研究者へのインタビュー調査を断念したために、2-3年目に計画していた外国法の調査研究を一部前倒しして実施した。具体的な研究成果としては、ドイツの人権デューディリジェンス立法(「サプライチェーンにおける人権侵害防止のための企業のデューディリジェンス義務に関する法律(Gesetz ueber die unternehmerischen Sorgfaltspflichten zur Vermeidung von Menschenrechtsverletzung in Lieferketten: LkSG)」)について、その前提条件および正当化根拠を検討した論文を公表することができた。また、未だ公表には至っていないものの、人権デューディリジェンス立法の動向を国際貿易・投資と労働法との関係一般の文脈に位置付けた論文も脱稿済みである。加えて、個々の人権についての研究も進めており、具体的には、特定の裁判例を素材にして「性差別」概念をめぐる検討を行い、これも研究成果として公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外書の入手に困難があり、その点で当初想定していたよりも資料が集まらなかったものの、一部電子資料で代替できるものもあったため、前記のとおり、具体的な研究成果の公表にまで至っている。海外研究者へのインタビュー調査は、旅費や感染症の状況、加えて自身の校務スケジュールを勘案して断念したが、前記のように外国法についての調査研究を前倒しして実施できたため、全体的にみれば順調に研究が進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、外国法についての調査を継続する。現地文献の収集を継続し、当該文献調査により研究を進めることを基本とするが、加えて、海外研究者へのインタビュー調査を実施できるように調整を進める。なお、1年目では外国法としてドイツ法についてのみ研究したが、今後はEUの立法動向も対象とする予定である。
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Causes of Carryover |
海外研究者へのインタビュー調査を断念した関係で、当初予定していたよりも旅費や謝金の支出額が低くなったためである。今年度インタビュー調査を再調整するため、その費用にあてる予定である。
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