2023 Fiscal Year Research-status Report
The Expansion of Territorialism. How Japan Became Part of the Modern World
Project/Area Number |
22K13346
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 敦子 金沢大学, GS教育系, 准教授 (10821837)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Territory / Indo-Pacific / Space / Conceptual history |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究は、昨年度から引き続き、領土概念に関連するものとして海洋地域関連概念、とくに現在、日本の外交政策において最も重要な概念となっている「インド太平洋」についての研究を中心に行なった。この結果、査読つき国際学術誌International Political Sociology誌に論文 ”Socio-Spatial Multiplicity in World Politics: Non-Western Regional Imaginations of the Indo-Pacific”を掲載することができた。さらに現在、歴史と国際関係理論についての国際共著論文一編が査読中である。 学会発表などとしては、以下が挙げられる。まず、8月には東京でInternational Studies Association Asia-Pacific Regional Conference で発表を行った。9月にはドイツのGerman Institute for International and Security Affairsにおいて、「インド太平洋」概念についてのChris Wirth博士と欧州の研究者約10人を招き、シンポジウムを共同開催した。さらに同月、ポツダムで行われた欧州政治学会において研究発表を複数行った。10月には英国のダーラム大学で講義を行った。さらに2月には英国のウォリック大学とダーラム大学において、発表論文についての研究セミナーを行った。いずれも多くの海外研究者、政策当局者から激励と、有意義なフィードバックを得ることができたと同時に、新たな人脈開拓と次の共同研究へと繋げることができた。 特に査読論文については、国際関係論のみならず学際的に権威あるジャーナルであり、批判的な見地からユニークかつ有意義な国際的貢献を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同研究は2022年から始まり、2年目である。既に権威ある国際査読誌に2本の論文を掲載できており、最終年度に向けて確実に成果を上げることができている。また、論文掲載が、新たな共同研究の開拓につながっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年同様に、論文執筆と学会発表、最新の研究についての情報収集を中心に行い、最終的には英文の単著にまとめられるよう考えていく。また今年度は、2022年に発表した論文(査読つき学術誌スペシャルイシューの一部)をもとにした英文論集の発表を予定している。また、国際共同研究の範囲をさらに広げ、研究者間の国際連携を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
既に前年度から繰越があったことに加え、予定していた旅費の一部が共同研究機関からの招待により賄われたこと、さらに当初計画よりも英文校閲費が少額であったことなどによる。
|