2022 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける米同盟網の起源に関する理論的検討―帝国論の視点から
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22K13355
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
玉置 敦彦 中央大学, 法学部, 准教授 (50772480)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 同盟 / アメリカ / 国際秩序 / アジア太平洋 / インド太平洋 / 戦略 / 日米関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究の進捗は、パンデミックの全般的影響に拘束された前半期と、これが緩和へと向かったことで比較的順調に進展した後半期に分けることができる。とりわけ2022年秋には久しぶりにアメリカへの出張を行うことができ、今後は史料調査を目的とした渡航が可能となることが確実となったことに大きな意味がある。 とはいえ、本研究の議論は多くの議論が積み重なり、またアジア太平洋地域全域と関連するため、史料調査以前に、理論研究の精査と、既存研究の読み込みが必要となる。2022年度は、そのための準備が着実に進展したという点で大きな成果があった。 実証面では、1940年代後半期から1950年代前半期については概ね状況の把握は完了した。また60年代前半期についてはごく初期的なサーベイが終わった段階である。ただし、以上は北東アジアおよび東南アジア諸国を対象としたものであり、オセアニア諸国まで手が回らなかったことは残念である。 こうした下準備の段階の成果を公表することは簡単ではない。だが、2022年度は、力の均衡をめぐる基礎的な概念の整理を論考としてまとめることができ、また現代のアメリカを素材として同盟と国際秩序についての理論的な知見を整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、研究全般の進捗はおおむね予定通りであるが、やはり前半期におけるパンデミックの影響は無視できない。また勤務先の移転に伴って発生した作業量や新たな環境への適応コストも無視できない。総評としては、上記の区分となるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、まず2022年度の成果をまとめることを意識したい。また50年代半ばまでの状況と60年代初頭については一定の目途をつけることができたので、50年代後半についての把握をすすめていきたい。 なお成果の報告については、現在、新たに複数の論考・著作の発表を予定しており、学会報告の準備も進捗している。これは2023年度の成果として報告が可能となる見込みである。また新たな環境は研究を進めるに十分なものであったため、着実に研究を進めることができる見込みである。
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Causes of Carryover |
今年度は手持ちの資料の精査に多くの時間を費やしたこと、またパンデミックの影響で研究活動になお制約があったことが大きな原因である。本研究はこれまで申請者の研究を発展させたものであることから、まずは既存の資料の読み込みが重要な課題となった。 なお手持ち資料で精査すべき点も残っているが、2023年度は新たな資料に基づく調査が可能となる見込みであり、使用額も増加することが予想される。
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Research Products
(2 results)