2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 卓弥 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (30899662)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 計量経済学 / メタアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、エビデンスに基づいた政策決定の重要性が広く認識されるようになった。このような取り組みを進めていくためには、政策立案者が関心を持つ母集団に対する信頼できるエビデンスを得ることが重要になる。しかし、特定の母集団の信頼できるエビデンスを収集することは多くの状況で困難を伴う。そのような状況では、異なる母集団のエビデンスを用いて意思決定を行うということが頻繁に行われている。メタアナリシスという分野では、このような状況での様々なエビデンスの集約方法を提案しているが、政策立案者の意思決定問題を考慮したエビデンスの集約方法は提案されていない。そこで、本研究では、政策立案者の意思決定問題を定式化し、政策立案者が関心を持つ母集団に対して最適な政策を決定するためのエビデンスの集約方法を開発する。 この課題に取り組むために、本年度は提案するエビデンス集約方法の理論的な性質を明らかにした。これまでの研究で得られたエビデンスには推定誤差が存在するため、この問題は不確実性が存在する下での意思決定問題となる。統計学の分野では、このような問題は統計的決定問題と呼ばれている。本研究では、政策立案者が直面する意思決定問題を統計的決定問題として定式化し、統計的決定理論でよく用いられる基準の下で提案するエビデンス集約方法がどのような性質を持つかを求めた。 本年度は上で得られた結果の一部を"The 2022 Asian Meeting of the Econometric Society"と"Risk and Statistics, 3rd Tohoku-ISM-UUlm Joint Workshop"で発表した。まった、その内容をworking paperとして公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、提案するエビデンス集約方法の理論的な性質を明らかにすることができた。得られた結果の一部は国際学会でも報告しており、working paperとして論文も公開している。国際学会で頂いたコメントを基に改訂し、令和5年度には国際学術誌に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、提案するエビデンス集約方法の理論的な性質を明らかにする。本年度に国際学会などで発表した内容については、論文を改訂し令和5年度に国際学術誌に投稿することを目指す。それ以外の理論的な結果については、令和5年度にworking paperとして公開することを目標とする。
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Causes of Carryover |
他の業務により参加予定であった学会に参加できないことがあったため。
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