2023 Fiscal Year Research-status Report
電動自動車の国際サプライチェーンに誘発される環境・資源影響評価
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22K13393
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
中本 裕哉 大分大学, 経済学部, 准教授 (10881881)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ライフサイクル最適化 / 最適経路 / 保有費用 / 電動車 / 製品寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における5つの燃料別自動車(ガソリン車,ハイブリッド車,プラグインハイブリッド車,電気自動車,燃料電池車)に関する,自動車保有者に最適な買い替え経路(どの自動車をどのくらいの期間所有し,またいつどの自動車に買い替えるべきか)をライフサイクル最適化に基づいて分析した。2005年から2055年までのライフサイクルCO2排出量と所有費用を目的関数に設定し,最適化問題を解くことで,排出・費用の2つの面からそれぞれ最適となる買い替え経路を特定した。 結果から,排出を最適化する場合,BAUシナリオの下では,電気自動車の本格導入は2040年以降が適切であり,自動車の電動化はガソリン車からプラグインハイブリッド車,そして電気自動車へと徐々に進めていくことが望ましいことが明らかになった。一方で,野心的シナリオの下では,排出削減のために電気自動車を導入するべき時期は2030年代と10年近く早まった。政策決定者は電動車へのトランジション政策において,車のライフサイクルCO2排出量の削減を高い水準で実現し,電気自動車を導入するべき環境を構築するまでは,ハイブリッド車,プラグインハイブリッド車のように電気自動車よりも排出・費用の2つの面で優れる車種の段階的な普及を取り入れるべきである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析モデルの設計,データ整備,論文発表においておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,最適化モデルを個人の買い替え経路から,国や地域全体の電動化移行経路へと拡張する予定である。特に,資源制約や国の電動化目標を考慮したモデルは,より実現可能性が高い移行政策を議論することが可能になると考えている。
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Causes of Carryover |
[次年度使用額が生じた理由] 体調不良による出張のキャンセルがあったため。 [使用計画] 主にデータの整備費用に充当する予定である。
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