2023 Fiscal Year Research-status Report
動的離散選択モデルを用いた土地の高度利用の最適な制限の分析
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22K13395
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安達 有祐 立命館大学, 経済学部, 准教授 (80881242)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 土地利用規制 / 離散選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に以下の2つの研究を進めた。 1つ目の研究は、土地利用規制のうち特に高さ規制の厳しさを測定するための新しい手法を提案した。具体的には、高さ規制がある場合とない場合の建築階数の乖離に注目し、その乖離が大きいほど利用規制が厳しく働いていることを示す指標である。データから観察することができない、高さ規制のない場合の建築階数を推定するために、住宅床面積供給の動的離散選択モデルを構築した。このモデルを利用して、高さ規制のない場合の建築階数を反実仮想を用いて推定した。提案した手法を東京都心部の住宅データに適用した。以下の3つの結果が得られた。1つ目は高さ規制がない場合、階数の供給は3.4%増加することが分かった。これは高さ規制が住宅価格を4.1%上昇させることを意味する結果である。2つ目は、規制の厳しさは中心付近で強くなる傾向がある。最後に先行研究でしばしば用いられる静的モデルは動的モデルに比べて高さ規制の厳しさを過大評価する傾向があることが明らかとなった。この分析手法について、国内、国際学会での発表を行い、得られたコメントをもとにしてモデル・分析の修正を行った。 2つ目の研究は、最適な土地利用制限に関する研究を始めた。まずは、この研究で使用する予定のデータを申請し、公表されているいくつかのデータについてはそのクリーニングを行った。また、最適な土地利用制限に関する理論モデルの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つ目の研究については修正をほぼ終えたため、論文を投稿する。2つ目の研究もデータの取得などが予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2つ目の研究について進めていく。分析に必要なデータがそろい次第、分析を行う。2024年度中に国内・国際学会での発表を行うことができるように準備する。
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Causes of Carryover |
所属の変更に伴い、出張費に変更が生じたから
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