2022 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic analysis of the impact of border tax adjustments and dual regulation on greenhouse gases and economic growth via industrial structure
Project/Area Number |
22K13409
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Research Institution | Kyoto College of Economics |
Principal Investigator |
濱口 喜広 京都経済短期大学, 経営情報学科, 講師 (10804114)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 汚染逃避地仮説 / ウォーターベッド効果 / R&Dスピルオーバー / 内生的成長論 / 環境政策 / 二重規制 / 譲渡可能個別漁獲割当制度 / レントシーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な研究実績を以下4点に要約している。 ①単著論文3本が査読付き国際学術誌に掲載された。一つ目に、Applied Economicsに掲載された論文は、イノベーションの波及性が汚染逃避地仮説を左右しうることを示している。二つ目に、SN Business & Economicsに掲載された論文は、EU-ETSが直面するウォーターベッド効果が汚染逃避地仮説につながることを、環境脱税と二重規制の観点から明らかにした。三つ目に、MethodsXに掲載された論文は、公刊済み論文の分析手法を手短にまとめ、オープンアクセスとして公開している。加えて、3本の単著論文が査読付き国際学術誌で査読中となり、うち一本が大幅改訂の要求を受け、現在その改訂稿が査読中である。 ②今年度より国際共同研究を行うようになり、その成果が2本の国際共著論文として査読付き国際学術誌に掲載された。Frontiers in Marine Scienceに掲載された論文は、海洋再生エネルギーの世界的現状と今後の展望に関する諸研究をサーベイしている。MethodsXに掲載された論文は、数値分析に留まっていた公刊済み論文の結果を解析的手法による頑健な結果へ昇華させ、その分析手法をオープンアクセスとして公開している。 ③今までの研究成果に基づき、一般の方に向けた解説論文を「経済成長論から見た持続可能な発展」として執筆した。研究者に向けたサーベイ論文については、査読付き分担執筆として環境政策の成長促進効果と持続可能な観光をテーマに寄稿し、2023年度中を目途に公刊予定である。 ④査読付きの国際会議において計4回の研究報告を行い、2023年に開催予定の国際会議においても計3回の研究報告が受理された。これらの報告は、関連誌への論文掲載に加えて公刊済み論文の引用件数や国際共同研究の依頼へと結びつく為、より精力的に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究機材の購入など研究環境を整える必要もあったことから、研究計画書に記載した関連研究の公刊に注力し、その結果、研究実績の概要に記載した成果を上げた。とりわけ、国際会議での研究報告を行うことにより、公刊済み論文における引用件数の獲得や国際共同研究の依頼を受けることにつながった。研究者ネットワークを有した海外研究者との国際共著論文は、世界的に注目されやすく、高い引用件数を得ることが多い。その反面、研究に関する意思疎通を図ることが難しくなり、研究倫理に根差した研究活動を行うよう、十分な注意を要する。しかし、国際的な研究者ネットワークを構築する足掛かりも得つつある。
他方、研究計画書の中核をなす研究に関しては、経済モデルを開発した上で論文を執筆し、国内学会や国際会議で報告を行い、論文公刊につながる有益なコメントを得た上で、投稿及び改訂作業を進めている。とりわけ、日本経済学会でポスター報告を行った研究は、二重規制に関する中核的研究であるが、国際会議での報告後、論文投稿の招待を受けた。その結果、大幅修正の要求を受けて、現在その改訂稿が査読中である。加えて、国境税調整に関する中核的研究に関しても、査読付き国際学術誌より大幅修正の要求を受け、現在その改訂稿が査読中である。それ故、関連研究の報告や公刊の傍ら、中核的研究についても、その公刊に向けて着実に研究を進めることができている。
こうした状況から、新規の関連研究にも取り組み、今後、国際会議において報告予定である。以上のことから、当初の計画以上に研究が進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画を、以下5点に要約している。 ①中核的研究に関して、査読付き国際学術誌から大幅修正の要求を受けている改訂稿2本を、公刊につなげるよう再現を尽くす。その上で、掲載拒否の判定を受けた論文1本については、査読者コメントに基づいた改訂を行った上で、査読付き国際学術誌へ投稿し、その公刊を目指す。 ②2022年に行った関連研究を、国内学会や国際会議で報告した上で、論文の改訂作業を行い、2023年度中に査読付き国際学術誌へ投稿することを目指す。 ③今後、研究が進展すると見込まれる研究課題や分野を見極めた上で、その課題に応える研究課題に取り組み、幾つかの経済モデルを構築する。 ④国際会議での研究報告を精力的に行うことにより、研究者としての世界的な認知度を引き上げ、公刊済み論文の引用件数獲得へとつなげる。加えて、その中で培った研究者ネットワークを活用することにより、新たな国際共同研究や査読付き分担執筆へとつなげていく。 ⑤科学研究費助成事業によって得られた研究成果を、一般社会に還元する方策について検討する。
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Research Products
(27 results)