2023 Fiscal Year Research-status Report
土地利用規制が都市成長に与える影響の実証的検証:軍事的土地利用に着目した自然実験
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22K13411
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高野 佳佑 佐賀大学, 経済学部, 講師 (10909964)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 土地利用規制 / 都市成長 / 自然実験 / 接収 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に引き続き2023年度は,本研究課題の主要プロジェクトである,終戦期横浜における市街地接収の影響分析を先行的に進めた.具体的には,追加的な歴史資料に基づくデータセットの拡充を行うことを通じて,2022年度に行った予備的分析の精緻化を進め,その成果を5月にディスカッション・ペーパーとして取りまとめた.それと並行して,5月に開催された日本経済学会2023年度春季大会,6月に開催された2023 RSA Annual Conferenceや,10月に開催された2023 IDE Schoolといった国際学会・ワークショップにて研究成果を報告し,研究方針に関する詳細な議論を行う機会とした.そこでは特に,メインで得られた結果の背後にあるメカニズムの検証や,研究の位置付けに関する方針の策定に係る大きい進展が得られた.本研究課題のもうひとつのプロジェクトである,戦間期に整備された防空空地の影響分析については,データ収集と並行しつつ,紙媒体資料のデジタル化が進行中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に策定したスケジュールの通り,本研究課題の主要プロジェクトに関する成果の取りまとめは,2023年度中に行うことができた.一方で,研究代表者が関東の大学から九州の大学に異動したため,2022年度に比して現地調査や資料収集を進める上での制約が大きくなると共に,研究環境を整えるために時間を要することとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の各プロジェクトについて,引き続きデータセット及びそれを用いた計量分析の拡充を進め,国際査読付き学術誌への投稿に向けた準備を進める.それと並行して,研究成果に基づく一般向けのアウトリーチ活動を推進する.
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Causes of Carryover |
研究代表者が採択された別の外部資金によって,2022年度の研究費の一部を賄うことができたため,2023年度においても引き続き研究予算の余裕があった.次年度使用額については,データデジタル化作業に充てるほか,当初業務委託を想定していなかったデジタル化作業に対して用いる予定である.
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