2023 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Analysis of the Effect of Hospital Performance Disclosure on Physician-Patient Matching and Regional Healthcare Disparities
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22K13418
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 惇 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (80821826)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 不妊治療 / 成績開示 / 患者個票データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、病院間の比較情報の開示が患者の病院選択および治療成績に与える影響を分析するものである。2023年度は、傾向スコアマッチングとイベントスタディを用いて、昨年まで得られた結果についてのロバストネスチェック、実際の病院成績の分布等からメカニズムの解釈、同時期に治療成績に影響するような政策等がないかについて文献調査を行った。また、胚獲得率だけでなく実際の出産率についても検証を行った。分析の結果、符号についてかわらない結果を得ることができた。また、出産率については、18-39歳では1%有意で改善、40-42歳では10%有意で改善する結果を得た。一方でそれ以上の年齢の患者については統計的に有意な影響は見られなかった。また、出産率は、胚を複数胚移植するか、胚盤胞を移植するかで、結果が異なる。そのため、それぞれの場合についてサブサンプルを用いて分析をした。その結果、単一胚を移植する患者において、有意に改善する結果が得られた。以上の結果を国内学会やセミナー、国際学会で発表し、論文の修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、新たなデータの入手と整備自体はやや遅れているものの、新型コロナウイルスの緩和によりこれまでの成果を国内学会やセミナー、国際学会で発表することができた。国内外の研究者から有益なコメントを得ることができたため、それを踏まえて改善していき、論文投稿の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、国際学会での発表と昨年度のセミナー等でもらった意見を踏まえた修正を行なっていき、論文投稿する予定である。具体的には以下を行う。①患者の居住地および通院した病院のデータから、病院選択に影響する地理的な距離や周辺病院の数について考慮した分析を行う。②creme skimming があったかどうかの検証を比較的成功が難しい患者の受け入れ具合の変化を検証することで明らかにする、③成績開示が実際の出生率に与えた社会的インパクトを明らかにするために、成績開示で実際にどのくらいの新生児が誕生したのか、出生率に与えた影響はどのくらいであるかを計算する。
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Causes of Carryover |
データ購入の手続き進行に遅れがあったため、次年度にデータ購入費として使用する予定である。また、新型コロナウイルスにより予定していた国際学会に参加することができなかったものの、次年度は参加が確定したのでそれに使用する。
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