2023 Fiscal Year Research-status Report
企業内データを用いた一般的人的資本投資の効率性の検証
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22K13420
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐藤 香織 明治大学, 商学部, 専任准教授 (90806431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 労働時間 / メンタルヘルス / 性格特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は2022年度に引き続き、「①労働者のメンタルヘルスに対する長時間労働の長期的な影響と個人属性や職種による影響の異質性の検証」を実施した。具体的には、独立行政法人経済産業研究所におけるプロジェクト「人事施策の生産性効果と経営の質」より提供された日本の大手製造業の人事パネルデータを用いた分析を行い、観測不能な個人属性や職種の影響をコントロールしても、外向性や開放性の高い人は残業時間がメンタルヘルスにもたらすネガティブな影響が軽減されることを確認した。この結果から企業や管理者は、特に外向性や開放性の低い従業員が継続的な長時間労働に従事した場合、彼らのメンタルヘルスに配慮する必要があることが示唆される。 研究結果は” Personality traits and occupation as moderators of the effect of working hours on mental health”としてAsian and Australasian Society of Labour Economics 2023 Conference(National Taiwan University)において口頭発表を行い、2024年4月に経済産業研究所からディスカッションペーパーを発表した。 今後は査読雑誌への投稿を行う予定である。また、働き方と労働者のメンタルヘルスの関連について、長時間労働と在宅ワークとメンタルヘルスとの関係を中心としたレビュー研究を行い、総説として雑誌「行動科学」62巻1号に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度のサンプルセレクションへの対応による遅れの影響があり、計画全体が後ろ倒しになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
“Personality traits and occupation as moderators of the effect of working hours on mental health”を投稿後、「管理職の360度評価の有効性の検証」に着手する。
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Causes of Carryover |
2022年度の遅れから計画全体が後ろ倒しとなった。今後は「管理職の360度評価の有効性の検証」、そして「企業の非認知訓練の効果検証」と順次進める。
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