2022 Fiscal Year Research-status Report
Utilizing Artificial Intelligence Technology to Understand the Relationship between ESG Scores and Non-Financial Information
Project/Area Number |
22K13435
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
崎濱 栄治 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい研究員 (20874316)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 非財務情報 / ESG / 人工知能 / トピックモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人工知能技術を用いてESGスコアと統合報告書・ESG/サステナビリティレポート・アニュアルレポートの記載内容との関係性を調査し、日本企業に対して、非財務情報の最適な開示方法に関する示唆を提供することを目的としている。 2022年度には、「健康経営データとESG評価」と題して、健康経営度調査とESGスコアの関係について第50回日本行動計量学会で報告を行った。さらに、人的資本経営とDXの観点から「国内企業におけるDX推進のポイント」と題して同学会で報告し,日本マーケティング・サイエンス学会第112回研究大会では、関連研究に基づく「国内企業におけるDX推進への示唆」と題した報告を実施した。 また、本研究では、2015年5月から2021年6月に発行された2,100以上の統合報告書/ESG/サステナビリティレポートを対象に、構造トピックモデルによるトピック抽出を行った。この結果、デジタル変革・DX、テクノロジー・新事業、インパクト・内部統制などが近年比率の高いトピックとして確認された。さらに、ESGスコアの上位企業と下位企業の間で、これらのトピックにおいて差が出る傾向が確認された。さらに,業種によって重要なトピックが異なることが確認できた。この分析結果から、本研究で明らかになった30のトピックのトレンドに注目することが、日本企業にとって非財務情報開示の手掛かりとなる可能性があることが示唆された。今後の課題としては、複数のESGスコアを分析対象とすること、分析対象企業を国内企業に限らず海外企業を含めることで、より包括的な示唆が得られると考えられる。 これらの内容については,日本経営倫理学会のサステナビリティ経営研究に査読付き学術論文として掲載される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度までは,新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが未だ厳重であったこともあり,国内外の研究者との綿密な議論ができない状況にあった。このことから,経営との連動を図る本研究において核となる企業の現場責任者などとの議論に十分な時間を用意できなかった。今後,国内外における対面形式での研究会,学会大会に開催方法が変更されることに伴い,これらの不足点を改善し,研究成果の質を向上させたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
①ESGスコアのデータベースについて選定作業を進めており,2023年度中に購入を予定している。 ②国外の統合報告書やESGレポートの収集方法の検討中であり,必要となるエンジニアリソースの確保,データベース構築を行う予定である。 ③ESGのSと関連の深い人的資本経営とDXの観点からも研究を推進する。
|
Causes of Carryover |
研究遂行の遅れにより,データセットの構築と情報抽出手法の開発を見送ることとなったため。
|