2022 Fiscal Year Research-status Report
マイノリティ集団間の経済関係:近世ハンブルクのスファラディとアシュケナジの事例
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22K13439
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
竹原 有吾 学習院大学, 経済学部, 准教授 (80823591)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 商人 / 交易 |
Outline of Annual Research Achievements |
アシュケナジームとスファラディームの商人の間には、どのような社会的・経済的交流があったのかを調べていくのにあたって、初年度は感染症の流行状況等が関係する国内外の社会・経済状況を踏まえて、また史料調査をより効率的に進めるために、編纂史料や先行研究の文献を調べることを優先することにした。そして両者の関係について一次史料にどのようなものがあるのかを確認し、そうした一次資料を収集・分析するのは、編纂資料や文献の調査の後に進めていくことにした。研究の方法としては、両者の関係性を明らかにするために、アシュケナジームとスファラディームに分けて、それぞれが置かれていた環境や、それぞれが行っていた経済活動の実態の調査を進めていくことにした。一方でアシュケナジームに関しては、ハンブルクやアムステルダムを拠点に活躍していたユダヤ人の一族について、宮廷ユダヤ人の研究も活用しつつ情報収集に努めた。他方でスファラディームに関しては、彼らの経済活動が大航海時代と重なり、経済的な活躍が世界各地で見られたため、すでに多くの研究があり、その研究を整理することから始めた。確かに多くの研究があるものの、その中でもハンブルクをはじめとするドイツで活躍したスファラディームの一族が関わっている事例研究については、ある程度、特定することができた。今後はそうした過去の研究を手がかりにして、個々のユダヤ商人がどのように経済的に活躍していったのかについて、史料を収集・分析することによって検討していくことにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献の収集の点では研究が大きく進展したが、初年度に予定していた史料調査を次年度に実施することにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
編纂史料の分析を進めるとともに、海外での史料調査を実施する。史料調査で海外へ向かうのにあたって、研究を進めるうえで必要となる史料が多い国を優先して訪問する。
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Causes of Carryover |
旅費高騰によって、史料調査の1回あたりの費用がかなり高くなっている中で、初年度に予定していた海外への史料調査を次年度に実施することにしたため。
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