2022 Fiscal Year Research-status Report
エンターテイメント産業における組織の創造性を促進する人材の蓄積と育成に関する研究
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22K13455
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
楊 一 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 特任講師 (50909364)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織の創造性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本のエンターテイメント産業における複数の企業組織を取り上げ、事例分析・歴史分析を通じて、組織の創造性を促進する要因を人材の蓄積と育成の観点から明らかにするものである。 本年度は、本研究課題の全体的な基礎を築く年として、主に理論的考察のための文献調査および研究対象となる企業組織に関するデータの収集を行なった。 文献調査においては、組織の創造性に関する文献、エンターテイメント関連の文献について整理し、先行研究の理論的到達点を明らかにした。そして、研究対象となる企業組織の歴史的変遷と、組織の創造性を担う出演者のキャリア形成のプロセスに、研究の焦点を当てるという方向性も明確になった。 データ作成においては、本研究で実施する事例分析・歴史分析に必要なデータを、社史、関係者の著書、新聞、雑誌から収集してまとめた。具体的には、吉本新喜劇、宝塚歌劇団、OSK日本歌劇団、劇団四季、新日本プロレス、全日本プロレス、木下サーカスなどの事例に関するデータである。また、それぞれの組織における出演者のキャリア形成のプロセスについてのデータも作成することができた。インタビュー調査に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響により、実施することができなかったが、データ整理により今後実施するインタビュー調査における質問項目が明確となった。 次年度は、文献レビューの論文と事例研究の論文を作成する予定であるが、本年度で実施した文献調査により理論的基盤を構築できた。また、事例分析に必要なデータも作成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、インタビュー調査を実施することはできなかったが、文献を中心とした理論・事例データの調査は着実に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、文献調査で整理した先行研究の知見と、明らかになった研究の方向性をさらにまとめて、組織の創造性に関するレビュー論文を作成し、本研究の理論的基盤をさらに確固たるものとしていく。また、事例研究のためのデータ収集においては、二次資料だけでなく、インタビュー調査を通じた一次資料の入手も必要である。そのため、社会的情勢を考慮した上で、可能な範囲内でインタビュー調査を実施したいと考える。そして、レビュー論文で整理した理論的基盤をもとに、エンターテイメント産業における企業組織を取り上げ、関連するデータの分析を行い事例研究の論文を作成する。
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