2022 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな価値創造活動における国際拠点間の関係性の効果に関する研究
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22K13456
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Research Institution | Onomichi City University |
Principal Investigator |
趙 怡純 尾道市立大学, 経済情報学部, 講師 (50844073)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際経営 / 国際拠点間の関係性 / 国際人材配置 / 協働と競争 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多国籍企業の国際拠点間の協働・競争関係が企業のグローバルな価値創造活動に与える影響を明らかにすることである。令和4(2022)年度の具体的な研究課題は、企業間の協働・競争や企業内サブ組織の協働・競争に関連する既存研究を整理し、同一企業の国際拠点間の関係性が全社的に与える影響を分析するための理論的枠組みを導出することである。 本年度は研究計画の通り、既存研究の収集・整理を中心に進めた。まずは経営学分野における企業の協働・競争に関わる議論を幅広く収集・整理した。異なる企業間の協働や競争に関する議論は、全社レベルおよび事業レベルで活発に議論されてきた。競争戦略論や組織間関係論といった体系的な研究の蓄積もある。これらと比較すると、同一企業内のサブ組織の協働や競争に関連する研究蓄積はまだ少ない。とくに、多国籍企業の国際拠点間の関係性に着目した既存研究は、国際分業(拠点間の役割分担)や人的ネットワークを通じた知識移転、国際拠点の能力構築を中心に議論されてきたことを確認できた。 また、新型感染症の影響が続いていたため、海外での現地調査やインタビュー調査は実施できなかった。そこで、本年度は既存研究や公開データをもとに日本の製造企業(自動車や部品企業を中心に)の海外拠点の変遷、海外生産規模、海外売上高比率等のデータを収集した。さらに、国内でインタビュー調査を複数回実施し、今後の海外拠点の現地調査に向けて調査項目の検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は既存研究の整理および理論的枠組みの検討、複数の海外拠点をもつ日本の製造企業のデータ収集、国内でのインタビュー調査を実施することができた。初年度として今後の研究の方向性を固めることは一定程度できた。しかしながら、学会発表や論文投稿ができず、研究内容の公表には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は海外拠点の現地調査を進めていく。海外拠点の駐在員、帰任者、現地従業員に対してインタビュー調査を実施する。本研究のデータはインタビュー調査を中心に収集する予定であるが、これを補完するためにも企業の公開データを引き続き収集していく。同時に、論文の投稿、学会発表の準備を進める。
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Causes of Carryover |
本年度は新型感染症の影響が続いており、国際または国内での学会参加やインタビュー調査のための企業訪問に制限があった。学会参加やインタビュー調査は遠隔で実施することもあり、旅費を中心に研究費の節約につながり、次年度の使用額が発生した。次年度は国際学会への参加および現地調査を複数回行う予定であり、計画当初よりも旅費が大きくなる可能性がある。次年度使用額は旅費を中心に使用する予定である。
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