2022 Fiscal Year Research-status Report
仕事における他者志向的意欲としての向社会的モチベーションの促進・抑制要因
Project/Area Number |
22K13473
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
Shin Hayoung 京都産業大学, 経営学部, 助教 (60906915)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 向社会的モチベーション / 向社会性 / 労働意欲 / 自律的・統制的側面 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度(初年度)は、①文献レビューおよび②予備データの分析を行った。具体的には下記のとおりである。
まず、仕事や職場における向社会的モチベーションの先行要因を中心に、文献レビューを行った。研究の蓄積はまだ十分とはいえないものの、いくつかの可能性が提示されつつある。先行研究では、従業員と潜在的受益者の間をつなぐよう職務設計を工夫することや、自身の携わる職務の重要性を知覚させることが、従業員の向社会的モチベーションを高めるうえで効果的である点が指摘されている。加えて、経営層への信頼や経営者が発する向社会的なメッセージの知覚が、従業員の向社会的モチベーションと正の関係にあることが示された。さらに別の研究では、向社会的モチベーションの強い成員は、自身の評判やアイデンティティを可視化するために、企業の社会的責任(CSR)や社会貢献を重視する組織に集まりやすい点も示唆されている。
次に、予備データとして保有している就労者を対象としたデータおよび学生を対象としたデータの分析を進め、それぞれの向社会的モチベーションに影響をおよぼしうる要因について探索を行った。予備データの分析からは、以下の傾向性が観察された。第一に、向社会的モチベーションの自律的側面については、主として個人要因との正の関係がしばしば観察された。このことから、向社会的モチベーションの自律的側面は、個人の資質により影響を受ける可能性が示唆される。第二に、先行研究では向社会的モチベーションの自律的側面を促進させると考えられてきた職場要因の一部について、統制的側面とも同様に正の関係が観察された。自律的側面を高めることを意図した取り組みが、かえって統制的側面を高めてしまう可能性が推察される。文献レビューの結果もふまえ、向社会的モチベーションの自律的側面を促進し、統制的側面については抑制可能な要因について、追加検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に予定していた文献レビューについては、ほぼ予定通り実施した。予備データの整備ならびに事前分析についても、おおむね予定通り実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、前年度に引き続き文献レビューならびに予備データの分析を進める予定である。また、これらの成果をもとに定量研究(データ収集)実施に向けて着手することを予定している。
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Causes of Carryover |
文献閲覧に要する費用をはじめとした一部費目の高騰に伴い、当初の予定よりも必要経費が超過することを想定し、必要設備・ソフトウェアならびに購入物品額の見直し(購入の見送り含む)を行った。発生した次年度使用額については、令和5年度以降に予定されている調査費用への充当ならびに投稿料・英文校正料などの費目への支弁を予定している。
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