2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13491
|
Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
松尾 健治 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (60805175)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | スティグマ / レジリエンス / 独裁的リーダーシップ / インクルージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度については、大きく次の3つのことに取り組んだ。第1に、組織スティグマ研究に関する先行研究のレビュー。第2に、アイデンティティ・ワーク研究に関する先行研究のレビュー。第3に、独裁的リーダーシップ研究についてのレビューと理論的考察。第4に、インクルージョン研究についてのレビューと理論的考察、である。 第1の組織スティグマ研究については、本研究課題が取り扱う中心的概念である組織スティグマに関するものであり、これをレビューすることは本研究課題を全体的に推進するうえで必要なものであった。第2のアイデンティティ・ワーク研究については、スティグマを付与された個人や集団のレジリエンスを考察するうえで検討が必要な研究領域である。第3の独裁的リーダーシップ研究については、組織において個人や集団へのスティグマ付与を促進しうるものとして独裁的リーダーシップをとらえたことから、レビューおよび理論的考察を行った。第4のインクルージョン研究については、スティグマが付与される場合と対照的な状態としてインクルージョンに着目したことから、レビューと理論的考察を行った。 第1および第2の点については、今後の論文への取り込みを目指して作業を進めた。第3の点については、独裁的リーダーシップ概念の下位概念の整理と弁別を行い、その中でも特に圧政的リーダーシップに着目して、これがもたらす影響について考察を行った。この成果については、組織学会2022年度研究発表大会において発表を行った。第4の点については、職場内におけるライバル関係が個人の創造性にポジティブに関係するメカニズムにインクルージョンがおよぼす影響を考察した。これについては、海外学会での発表に投稿し、査読を通過した(7月に学会発表予定)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記載のとおり、本研究課題に関連する重要な研究領域についてレビューを着実に進めるとともに、いくつかの研究発表を実施 or 実施に向けた査読通過という成果を残すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、本研究課題に関連するデータ収集を進める。データについては、インタビューによる定性的データ、図書館や資料館所蔵の企業内資料、質問紙による定量的データを収集する。 それがおおむね完了したのちに、データの分析を進めて、論文を執筆し海外ジャーナルへの投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
当該年度はコロナ禍が完全には収束していなかった状況であり、海外・国内の出張を控えていた。そのため、次年度使用額としての繰り越しが生じた。2023年度については、学会発表のための海外渡航を2件(1件は査読通過済み・7月に発表予定、もう1件は年度内に発表できるよう準備中)を予定・検討しているほか、資料収集やインタビューなどの調査での出張を予定・検討しており、旅費支出が大きくなるためそれに充てる。
|
Research Products
(2 results)