2023 Fiscal Year Research-status Report
Consumers' Case and Scenario based Decision Making
Project/Area Number |
22K13497
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
郷 香野子 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 講師 (80799908)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 消費者意思決定 / 新製品採用 / 不確実性 / シナリオ / 事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今の新製品は,他のサービスや製品と連携しながら消費者に多数の価値を提供するようになった。そのため,本研究は多数の価値を持つ現代の新製品の消費者意思決定として「事例とシナリオによる意思決定」を考え,体系的な整理を行なっている。 期間中の研究では(1)消費者意思決定におけるシナリオの整理とシナリオの発生メカニズムの整理,(2)事例とシナリオによる意思決定モデルの構築と実証,(3)購買行動データを用いた予測を行うことを計画している。 2022年度は,上記(1)について消費者意思決定におけるシナリオの種類を調査した。さらに,シナリオを想像する時点までの距離(どの程度先の採用時点を想像するか,採用時点から何年目を想像するか)でも異なることを明らかにした。2023年度はここで考えられた仮説を消費者実験で検証するための予備的調査を実施した。2024年度は消費者実験を実施し,意思決定状況に応じた消費者のシナリオを明らかにする。 これに加え,2023年度は(2)について事例とシナリオによる意思決定モデルを構築し,過去の実証実験データをもとにモデルの妥当性を検証した。特に事例とシナリオの考慮方法に注目し,事例とシナリオをそれぞれ評価することを想定したモデル,シナリオ下で事例を評価することを想定したモデルを考え,モデルのあてはまりの観点から両者を比較した。その結果,事例とシナリオをそれぞれ評価する方が望ましいことを明らかにした。2024年度はシナリオの評価を購買履歴から測定する方法を検討し,(3)購買行動データを用いた分析に事例とシナリオによる意思決定モデルを適用させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は,概ね(1)消費者意思決定におけるシナリオの整理とシナリオの発生メカニズムが整理できた。ただし, ここで整理した内容については検証が必要である。2023年度は予備調査にとどまったため,2024年度は,消費者実験を行い検証する予定である。また,2023年度は(2)事例とシナリオによる意思決定モデルの構築と実証を進めた。モデルを検討できたたことから,2024年度では(3)購買行動データを用いた予測に応用する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,消費者意思決定におけるシナリオについて,その一部を消費者実験を行なって確認する。具体的には,消費者のシナリオと意思決定状況による違いに関する仮説を検証する。さらに,消費者の過去の購買履歴からシナリオを測定する方法を検討し,消費者のシナリオと意思決定モデルを購買行動データを用いた分析に応用する。
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Causes of Carryover |
2023年度は外部の調査機関を活用して消費者実験を行う予定であったが予備調査にとどまった。そのため,消費者実験は2024年度に実施する。
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