2023 Fiscal Year Research-status Report
日本小売企業の国際化を巡る発展過程の業態戦略行動の決定要因に関する研究
Project/Area Number |
22K13505
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
楊 樂華 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 講師 (30907209)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小売企業 / 国際化 / 先発優位 / 業態戦戦略 / 品揃え |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多国籍小売企業がアジア市場において発展過程で採用する業態戦略を、水平的視点から明らかにすることである。これまで、小売企業の海外業態戦略に関する意思決定要因は、本国と進出国の関係性に焦点を当てた研究が主流であった。しかし、国際ネットワーク・アプローチに基づく、海外子会社同士の関係性や相互作用に関する実証研究は非常に遅れている。さらに、小売企業の海外戦略は一貫したものではなく、発展過程における業態戦略がどのように変化するかを解明する必要がある。本年度の計画では、アジア市場、特に中国市場における外資系の進出経緯と実態を明らかにした。また、中国市場における日系企業について現地調査を通じて現地適応行動の取り組みを分析し、その背後にある意思決定の要因を探求した。その関連の成果の一部は、学会誌や学会報告で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、①日系小売企業と比較するため、欧米系企業のアジア展開の関連資料の収集とデータの整理・分析を実施した。その成果は学会誌で掲載予定である。②中国に焦点を当てて、中国市場における代表な欧米小売企業(3社)の中国の展開史と各段階の業態戦略の競争優位を解明した。その成果の一部は学会で報告し、学会誌に掲載される予定である。③中国深セン・広州における日系小売企業の店舗視察、関係者とのインタビューを通じて、業態戦略変化の意思決定の要因(外部要因と内部要因)を抽出し、学会誌や学会で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、東南アジアの国々を中心に現地の店舗調査と関係者のインタビューを実施する予定である。収集した情報やデータを整理し、分析結果をもとに、先行研究と照らし合わせながら、小売企業の国際戦略に関するインプリケーションをまとめる。さらに、研究成果を学会や学術誌で発表し、他の研究者と意見交換を行うことで、研究成果を広く共有していく。
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Causes of Carryover |
海外発表は実施しなかったため、また海外調査の協力者や資料整理に必要な人件費が発生しなかったため、残額が生じた。未使用額は来年度の海外発表の費用、海外調査に関わる諸費用に使用する予定である。
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