2022 Fiscal Year Research-status Report
累積的有利・不利形成過程に関する計量社会学的研究:個人と地域からのアプローチ
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22K13539
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
平松 誠 国際日本文化研究センター, インスティテューショナル・リサーチ室, 助教 (50924461)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 累積的不利益 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に研究を実施するための研究組織の構築やデータ整備を中心に行った。具体的には以下の2つの研究課題に取り組んだ。
第1に、出身地域・出身階層による教育達成の不平等のメカニズムの探求である。そのために、東京大学社会科学研究所が実施しているパネル調査(中学生親子パネル調査)のデータを使って計量分析を進めた。また、研究を進めるために、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターの二次分析研究会「地域間格差に関する計量社会学的研究」の研究代表となった。2022年3月にはこの二次分析研究会の成果報告会を開催し、現時点での研究成果について報告した。具体的には教育達成の都道府県格差と近隣格差について分析を行い報告した。
第2に、居住地域の不平等さと主観的社会的地位の関連性に関する研究である。既存の量的調査のデータでは地域情報が使えない、あるいは使えたとしても都道府県や市区町村レベルにとどまることが多い。また、主観的社会的地位の変数も地域間比較をするための設計となっていないという問題があった。そこで、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターが実施している「暮らしと仕事に関する全国オンライン調査」(SSJDA Panel)の新規項目募集があったため、そちらに応募した。新規項目は採択された。データはすでに納品されたため、データ分析を今後行っていく。なお、このデータは小規模な地域の情報・特性を利用することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は中学生親子パネル調査とSSJDA Panelの両データの取得をすることができ、今後の研究活動のための準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにデータを取得することができたため、今後はデータ分析を進め、学会や研究会での報告を積極的に進めたい。その上で、論文の執筆と投稿に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
研究会の参加などで旅費が必要となるはずだったが、すべてオンライン開催となったため、その分予算が余った。また、想定よりも物品の購入をしなかったこともその理由である。次年度以降、旅費や物品費として予算を利用していく。
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