2023 Fiscal Year Research-status Report
島嶼地域におけるがんサバイバーの就労支援の現状とサポート体制の構築
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22K13559
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
前田 縁子 琉球大学, 医学部, 助教 (60887389)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん / がんサバイバー / 就労 / 両立支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、医療機関と両立支援を協働する関係機関にプレインタビューを実施した。南部地区のハローワークでは、長期療養者支援事業の実績(2022年)として、電話・オンライン相談を含む年間の相談件数が1521件あり、その半数(49%)ががんサバイバーであることが分かった。また、県内7カ所の病院と提携し、出張相談を実施しいているが、その中に離島地域の医療機関は含まれていなかった。医療機関のがんサロンを利用した、集団を対象とした学習会では、参加者が少ないことが課題となっていた。また、がんサバイバーの個別相談を増やす課題として、医療者からの情報提供を望んでいた。その工夫として、新人看護師向けにハローワークが実施している両立支援事業について紹介するなど医療者側へのアプローチを実施していた。産業保健支援センターでは、がんサバイバーの就労先である会社の職員やハローワーク、医療機関における両立支援を実践推進するためのコーディネーターの育成や継続学習のための支援事業を行っていた。 その他、先行研究として実施していた、がん患者のサバイバーシップにアプローチするための研究として、COVID-19流行下でのがんサバイバーのレジリエンスについての文献レビューや県内のがん患者会の現状調査を行い論文投稿した。また、医療機関において、がん告知後の早期から情緒的サポートを行い社会面を含めたサポートを行うための外来看護師の実践と困難についてまとめ、第38回日本がん看護学会学術集会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
離島や北部(僻地)地域に在住のがんサバイバーへのインタビュー調査を実施する予定であったが、研究代表者が育休中であったため、開始が遅れている。本年度は、予備調査で実施した研究の論文投稿を行い、現在、調査のための倫理審査書類提出中の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、離島を含む県内在住の初発がん患者におけるがん診断後から初期治療開始までの就労に関する意思決定とその関連要因について、インタビュー調査を行うための倫理審査を提出中である。年内にインタビュー調査を実施、分析を行い、分析結果から得られた課題を元に、離島地域を含むがんサバイバーの両立支援を行うためのサポート体制について検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、6月まで育児休暇を取得しており、患者へのインタビュー調査を実施することができなかった。次年度は、患者へのインタビュー調査を実施を推進していくための調査費用や人件費として予算を計上していく。また、北部地域や離島地域の実態調査の移動費として利用予定である。
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