2022 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the situation of the operation of the "Community-Cafe" in the Corona Disaster and consideration of a support model
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22K13588
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小辻 寿規 立命館大学, 共通教育推進機構, 准教授 (90756222)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 居場所 / 子ども食堂 / 社会的孤立 / 地域共生社会 / コロナ禍 / コミュニティ・カフェ / 孤独 / ブレンディング・コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、現在のまちの居場所の現状と課題を明らかにすることを主に行なった。その上で、コロナ禍におけるまちの居場所事例検討の一部を実施した。 ヒアリング調査を行なったところ、コロナ禍の初期段階(2020年3月から5月にかけて)は調査対象の全てが緊急事態宣言やコロナ対応のためにこれまで通りの運営を行うことができなかったことが確認できた。ただ、利用者の中には様々なニーズに対応するため、一部のまちの居場所においては既存の利用者の中で事情を抱えた者のみに対して緊急事態宣言下においても場を開放していたことが確認でき、孤立や孤独に関するライフラインであった実態が明らかになった。1回目の緊急事態宣言下において、まちの居場所も使用制限などの要請を受けたことから、運営者の中で利用者を守ることはそのまま運営を続けることなのか、それとも運営を一時的に休止することなのか問わねばならぬ機会となったことが大きな課題として確認できた。その中で、サービス内容を変更することよりも、できる限りコロナ禍前と変わらぬ内容であることが利用者が安心して利用できる場所であることが確認できた。 2020年度から2022年度までのまちの居場所の変遷をたどると子ども食堂を中心にその軒数は増えている一方で、より支援対象を明確にしたまちの居場所が増加している実態が見えてきている。助成金の性質や支援者側のニーズなどの影響を大きく受けてのものであるが利用者にとって新たな関係を育む視点で考えた場合好ましいものではないことも調査より見えてきた。まちの居場所は増加したが、コロナ禍においての休止と変化がもっぱらの課題となる。先駆的事例においては、ブレンディング・コミュニティ(多様な存在が混ざり合い、支援と非支援や専門家と非専門家の枠を越えて相互理解と支援の関係が生まれる場)となっており、この乖離をいかに無くしていくのかが重要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国へのアンケート調査に向けての予備調査や各地の先進事例に対するヒアリング調査については対面やZOOMを通して実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
孤独や孤立を減らす居場所としてはブレンディング・コミュニティ型の地域の居場所が望ましいことが10数件の事例ではあるが確認できた。改めて、全国調査においてもこの角度からも確認し、事例検討を実施していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、ヒアリングが対面形式からZOOMに変更があったことや、円安の影響を受け為替ルートの変更のため機材購入を次年度の支出に回したことなどが大きな理由となる。次年度はコロナ禍が一定収束することなどから対面形式でのヒアリングの回数を増やし使用するほか、円安も一定落ち着いたことなどから機材購入を実施する。
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