2022 Fiscal Year Research-status Report
更生保護施設のソーシャルワーク機能に関する研究―有効な支援モデル構築を目指して
Project/Area Number |
22K13591
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 秀郷 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (30909693)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 更生保護施設 / ソーシャルワーク / 自立準備ホーム / 保護観察 / 更生緊急保護 / 訪問支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、令和4年度から令和7年度の4か年で、(1)更生保護施設におけるソーシャルワークの機能、現状と課題、支援プロセス等を多角的・総合的に検証することにより、(2)各地の更生保護施設でノウハウ・暗黙知として蓄積・実施されている有効なソーシャルワーク実践を形式知として明らかにし、(3)更生保護施設に共通する有効な支援モデルを構築し、実践への示唆及び政策提言を行うことを目的としている。 令和4年度の研究内容は次の通りである。まず、文献調査として我が国の刑事司法領域の居住支援の内容と方法、現状と課題を考察した。また、更生保護施設はソーシャルワークを担う施設であるため、社会福祉、精神保健福祉に関する支援技法等について文献、DVD等でその内容を把握した。そして、本研究の調査対象である更生保護施設を訪問し、処遇内容、訪問支援の現状について概況説明を受けた。これにより、令和3年10月から一部の更生保護施設で試行実施されている訪問支援の具体的な内容、地域生活を定着させるための施設退所後のフォローアップの重要性を確認することができた。また、更生保護施設と同じように、行き場のない矯正施設出所者等を入所させて支援を行う自立準備ホーム(平成23年度から「緊急的住居確保・自立支援対策」により開始)を訪問し、支援内容、支援の現状について概況説明を受けた。このように更生保護施設のソーシャルワークに関する調査に向けて準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、当初の研究実施計画通り、文献調査を実施し、順調に研究を進めることができた。そのため、次年度予定の前倒し実施を計画し、本研究の調査対象である更生保護施設を訪問し、処遇内容、訪問支援の現状について概況説明を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度以降は、更生保護施設の調査を本格的に実施していく。令和5年度は更生保護施設の中で、訪問支援を行っている施設を中心に、令和6年度は指定更生保護施設を中心にインタビュー調査を行う予定である。また、研究結果は、刑事司法及び社会福祉に関する学会の学術雑誌や学術集会、科研費で作成したホームページ等を通して社会へ発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、当初は研究計画が順調に推移したため、次年度予定の調査計画を前倒し実施するため前倒し支払い請求を実施した。しかし、年度末の日程調整が難しく、一部使用できなかった。そのため、令和5年度の調査分析に引き続き研究費を使用していく。
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