2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13617
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
傳法谷 郁乃 神奈川大学, 建築学部, 助教 (00782301)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 温熱的快適性 / 和服 / 和装 / 冷却部位 / サーマルマネキン / 熱中症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,夏着物に適した身体冷却方法を提案することを目的としている.伝統的衣装である夏着物は,素材や構成,着装方法は異なるが,スーツ一揃えの着衣量とほぼ等しく,夏季の環境で着用する衣服としては保温性が高いといえる.我が国の高温多湿な夏季の環境下において,快適に着装することは困難であり,熱中症になる危険性が高いと考えられる.本研究を通して,夏着物着用時に効果的な身体の冷却部位を明らかにし,和装による夏季の熱中症発生を予防し,夏着物を着用する人の快適性向上を目指す. 2022年度は当初の計画通り,夏着物着用動作中に冷却すべき身体部位,および冷涼感を得やすい部位を抽出するため,健康な成人男女を対象に,基礎的な被験者実験を実施し,背部・腰部の局所冷却時における主観申告及び生理反応を測定した.さらに,胸部・腹部に対しても同様に実験を行い,計20部位を冷却対象部位とした. 2023年度は,2022年度の結果をもとに冷却アイテムを複数試作し,その効果を発汗サーマルマネキンを用いて着衣熱抵抗と蒸発熱抵抗を測定を行い,定量的に評価する予定である. よって,これらに資する実験を初年度に実施することができたと考えている.今後,解析を進めて得られた結果より,身体冷却すべき部位や冷却に適した部位,冷却温度等を明らかにすることができ,夏着物着用時に適した身体冷却方法の提案に向けた意義のある基礎的知見を得ることができると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初予定していた計画通りに実験を進めることができ,次年度の計画も遂行できる状態にある.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2022年度の結果に基づき,冷却部位の組み合わせ効果を検討する追加の被験者実験を実施する.これらの実験結果に基づいて冷却アイテムを試作し,その効果を発汗サーマルマネキンを用いて定量的に評価する予定である.
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Causes of Carryover |
予定していた計画よりも効率的なプロトコルで実験実施することができたため,被験者謝金等に余裕ができ,次年度に繰り越した.次年度は,繰越金と合わせて追加実験を実施する謝金等に充て,当初の計画通り執行する予定である.
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