2022 Fiscal Year Research-status Report
Sociological Exploration of Educational Practices and Experiences that Foster or Maintain Norms of Inclusion
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22K13647
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80712075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 包摂規範 / 普遍的な再分配 / 問題の公共化 / 教育実践 / 教育経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、困難に直面する人々を含めたすべての人々の包摂につながる普遍的な再分配や問題の公共化などの規範(以下、包摂規範)が子どもたちに醸成され、卒業後も維持されるような教育実践・教育経験のあり方を明らかにし、従来の教育社会学の課題を乗り越える包摂策を提案することを目的としている。今年度は、主に以下の2点についての研究を進めた。 第1に、包摂概念の理論的検討のための文献調査である。包摂/排除の概念はこれまで多義的かつ曖昧に用いられてきたが、「純包摂モデル」「創発的包摂」(倉石 2021)のように、能力の獲得を条件としない包摂のあり方を指し示す概念を複数発見することができた。これらの概念は従来の教育社会学が提案してきた包摂策の課題を乗り越える可能性を秘めたものだが、どの概念に依拠して今後の研究を進めていくのかについては、次年度にさらなる精査が必要となる。 第2に、困難に直面する人々の包摂を志向するプロセスについてのインタビュー調査である。福祉系分野を専攻する大学生11名を対象としたインタビュー調査を実施し、進路選択についての語りから、小学校・中学校・高校での教育経験が困難に直面する他者を支えたいという考えや上記の包摂規範にいかなる形で結びつきうるのかについて、レパートリーを仮説的に見出すことができた。次年度は、これらの調査結果の分析を一度行った後で、8~9月に追加のインタビュー調査と論文の執筆を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に実施予定であった文献調査もインタビュー調査も順調に実施でき、一定の成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
追加のインタビュー調査については、調査対象者を紹介してくださる方への打診をすでに行っている。また、困難に直面する子ども/若者の包摂を志向した教育実践を行う学校への訪問調査を予定しているが、すでに情報収集や対象校のリストアップを開始している。
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Causes of Carryover |
実際の配分額が申請額より少なかったため、2025年度以降の大規模Web調査の予算を確保するために、購入予定だった文献を一部複写に切り替え、消耗品等の購入やアルバイトの依頼を控えた。Web調査を予定の規模で実施すれば、今年度の残額はすべて執行される見込みである。
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