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2022 Fiscal Year Research-status Report

教室内能力の相互行為的構成に関する教育社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 22K13650
Research InstitutionNara University of Education

Principal Investigator

粕谷 圭佑  奈良教育大学, 学校教育講座, 准教授 (80908492)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords能力の社会的構成 / エスノメソドロジー / 会話分析 / 相互行為分析
Outline of Annual Research Achievements

研究実施計画に基づき、〈研究A〉教育場面において構成される能力の理論的検討〈研究B〉教室内における教育場面の相互行為分析〈研究C〉教室外における教育場面の相互行為分析の3つの研究課題に取り組んだ。〈研究A〉〈研究B〉に関しては、H.ガーフィンケルによる「教示」に関する議論の理論的整理を行い、収集済みのデータから幼稚園年少級の教示場面の分析をすすめた。とくに、学級集団に対する教示が行われる際に教示の履歴が積み上げられていく過程に着目する分析方針を採用することで、教室内の教育場面に特有の教示構成にアプローチすることが可能となった。また、学校の授業における「話し合い活動」について、国語科の授業場面に着目し、児童たちがいかに授業全体の構成に志向して話し合い活動を組織しているかを検討した。〈研究C〉に関しては、塾や習い事などのいわゆる学校外教育に対する調査を行うことはできなかったが、典型的な学校教育に対して比較の視点を導入しうる少人数教育やオルタナティブ教育を行っている学校への調査を行った。また、オンラインを用いた子育て支援の活動場面の分析および聞き取り調査を行い、学校教育の相互行為に対する比較の視点を準備した。この、子育て支援活動の調査からは、それぞれの親が子どもに対して観察し報告する活動が特徴的に行われているが、分析からはこの子どもの観察・報告活動が、子どもを子育てにおける管理の対象として見るだけではなく、発達学習する存在として見ることを促す構成をとっていることがわかった。今後、こうした比較分析から、学校における「能力」に関する議論への展開を行っていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、実質的な理論調査のとりまとめ、および当初想定していた調査とは一部計画の変更があったものの、「研究実績の概要」に記したような実質的なデータの検討および分析作業が行えたため、「おおむね順調に進展している」といえる。

Strategy for Future Research Activity

2023年度までは継続してそれぞれの分析の積み重ねを行い、2024年度より分析知見を教育学および教育社会学における「能力」の議論と関連させながらいかに展開できるのか、研究ノートおよび論文執筆を通して具体化していく予定である。
また、本年度までの研究により、教室内相互行為および学校における子どもの「能力」の検討にあたり、学校組織内の相互行為の分析をこれまで通り進めていく必要がある一方で、学校外および「学校教育」ではない教育場面の検討の必要性があることがわかった。本課題研究における〈研究C〉教室外における教育場面の相互行為分析では、研究計画段階では、いわゆる学校外教育として塾や習い事を想定した調査計画を設定していたが、本研究において中心的な分析対象となっている幼稚園での教育場面との比較においては、子育て支援活動の場面分析も、有益な比較の対象となりえる。そのため、次年度以降は、学校外教育の調査準備を進めつつ、子育て支援活動の場面分析も適宜行っていく。

Causes of Carryover

本年度においてはすでに収集済みの映像データおよび資料の検討がおもな作業となったために、当初計画していたフィールド調査の実施を中心とした予算使用が発生しなかったため、次年度使用額が生じている。なお、2022年度において、フィールド調査の交渉および実施計画立案が遂行できたので、2023年度においては、フィールド調査を中心とした予算使用をおこなう予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 学校的相互行為の比較社会学序論―へき地少人数校とオープンクラス実践校の参与観察から2023

    • Author(s)
      粕谷圭佑・平井大輝
    • Journal Title

      連携教育開発センター紀要

      Volume: 1 Pages: 29-37

    • DOI

      10.20636/00013600

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] オンライン子育て支援の相互作用(3) -「わが子の報告」の組織化と機能-2022

    • Author(s)
      粕谷圭佑
    • Organizer
      日本社会学会第95回大会(追手門学院大学)
  • [Presentation] 集団活動の教示としての「注意」:幼稚園年少級初期場面の保育者-園児間の相互行為分析2022

    • Author(s)
      粕谷圭佑
    • Organizer
      日本子ども社会学会 第28回大会(オンライン)
  • [Presentation] ラウンドテーブル 国語学習のリアルを問う:教育心理学・教育社会学との対話から2022

    • Author(s)
      渡辺哲男・石本啓一郎・粕谷圭佑
    • Organizer
      第142回全国大学国語教育学会(東京学芸大学)
  • [Book] 現場から変える!教師の働き方2023

    • Author(s)
      片山悠樹・ 寺町晋哉・ 粕谷圭佑
    • Total Pages
      192
    • Publisher
      大月書店
    • ISBN
      9784272412662

URL: 

Published: 2023-12-25  

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