2022 Fiscal Year Research-status Report
ICTを用いた危機予測・回避能力を育成する保育者研修プログラムの開発
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22K13666
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 優 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (80781054)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 保育者研修プログラム / 危険予測・回避能力 / ヒヤリハット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、危険防止に関する実態を把握した上で、ICTを用いた保育者の危機意識・当事者意識を高める体験教材と、保育者が手軽に危険状況を記録・共有できる仕組みを構築し、それを活用しながら継続可能な保育者研修プログラムを開発・実施し、その有効性を検証することを目的とする。本研究を遂行し、令和4年度の成果は下記の通りである。 1)危険防止に関して、危険認知(ハザードとリスク)、安全教育、保育研修会や講習会などに関する国内外の文献、資料を収集し分析した。その結果、乳幼児の危険防止に関する研修ではヒヤリハット事例等が多く取り上げられていたが、反面で保育場面において近年事故件数に増加傾向がみられた。このことから、研修内容を保育者が実践で活用しにくい状況があることが示唆された。また、危険防止に関する研修の多くが、一過性で知識の伝達や特定の事例分析に留まっており、保育の改善および効果検証には至っていないことが示された。研修の中で保育者同士が学び合うことができれば、保育を振り返る契機となるとともに、保育者自身が主体的に保育実践をよりよいものにするために行動することができると考えられる。このことから、多忙な保育者が無理なく継続的に当事者意識を持って共に学び合える研修プログラムとはどのようなものか検討する必要があることが示唆された。 2)危険防止に関する保育施設の取り組みや促進・阻害要因等を調査するため、質問紙調査項目を検討し、質問紙調査用紙を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
危険防止に関して、危険認知(ハザードとリスク)、安全教育、保育研修会や講習会などに関する国内外の文献、資料を収集し検討した。また、危険防止に関する保育施設の取り組みや促進・阻害要因等を調査するため、質問紙調査項目を検討し、質問紙調査用紙を作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)保育者を対象に質問紙調査を実施し、分析する 2)各園の危険状況の実態に応じた研修にするため、協力園における危険状況や保育者の支援の実態を観察やインタビュー調査で把握する 3)これまでの成果を引き続き国内外で研究発表し論文化していく。
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Causes of Carryover |
令和5年度に質問紙調査を実施するため、調査費用や分析するためのソフトやパソコンを購入したいため。
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