2023 Fiscal Year Research-status Report
「危機社会」に対応した主権者教育としての社会科防災学習カリキュラムに関する研究
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22K13696
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
佐藤 克士 武蔵野大学, 教育学部, 准教授 (10706857)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自然災害 / 危機社会 / 主権者教育 / 社会科教育 / 地理教育 / 資質・能力 / 授業研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、今日の自然災害の脅威が激化・常態化し、被害や復興が大きな社会問題として深刻化している社会を「危機社会」と規定した上で、「危機社会」において主権者として求められる資質・能力の育成をめざす小学校社会科防災学習カリキュラム及び単元プラン開発を行い,その有効性について実験授業の実施とその分析によって明らかにしようとするものである。 令和5年度の成果は、中華人民共和国における初等・中等地理教育における自然災害をテーマとした単元の内容構成を分析することを通して、その特質を明らかにすすとともに、授業開発の為の教材研究(国内の被災地及び南海トラフ地震等により被害想定地域として想定されている地域の現地調査)や、カリキュラム設計や授業案開発のための授業理論の検討を行ったことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、予定していた諸外国の教科書分析で得られた成果を大学紀要や商業雑誌等を通じて発信し、概ね予定していた内容は終了している。 次年度以降は、中華人民共和国以外の教科書も分析し、その成果を発信していくとともに、カリキュラム設計や授業案開発のための授業理論の検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度に関しては,令和5年度と同様、引き続き、諸外国の教科書分析を進めるとともに、カリキュラム設計や授業案開発のための授業理論の検討を行う予定である。具体的には、本研究テーマに関連する社会諸科学の研究成果(災害・防災研究,リスク・コミュニケーション研究等)及び主権者教育の概念や理論について文献をもとに整理や検討を行う。並行して,わが国の実践事例を収集や授業案開発のための教材研究(国内の被災地及び南海トラフ地震等により被害想定地域として想定されている地域の現地調査)も行う。また、措定した授業理論に基づきカリキュラム案の検討と授業案を開発する。授業案は,初等を対象に開発する。単元及び授業案開発に際し,実験授業を依頼する小学校教員と研究打合せを行う。また、開発した授業案を用いた実験授業の実施とその評価(改善案の検討を含む)を行う予定である。
令和7年度に関しては,授業案開発及び開発した授業案を用いた実験授業の実施とその評価(改善案の検討を含む)及び成果報告書による研究成果の発信を行う予定である。前年度に引き続き,実験授業の効果測定を量的・質的に行い,その成果を研究協力者と会合で吟味する。また,研究最終年度は,主権者教育としての社会科防災学習カリキュラムと授業理論をフレームワークとして措定するとともに,フレームワークに基づき学習指導案を作成し,授業実践及び授業分析結果を報告書にまとめて研究成果の発信を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
旅費に関しては、令和4年度は授業案開発のための教材研究(国内の被災地及び南海トラフ地震等により被害想定地域として想定されている地域の現地調査)を行う予定であったが、先方との日程調整や校務等により計画通り、実施できなかった。 上記の内容については、令和6年度に実施する予定である。
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