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2022 Fiscal Year Research-status Report

Research on classroom culture that fosters co-agency through dialogue in mathematics learning

Research Project

Project/Area Number 22K13708
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

松島 充  香川大学, 教育学部, 准教授 (70804128)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords学級文化 / エピソード記述 / 現象学 / 身体化認知
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,すべての子どもが対話によって数学学習をつくり上げる学級文化の要素の同定とその育成方法,そして学級文化に着目したCo-agency育成への提言である。
2022年度は,小学校1年、小学校4年、中学校1年の算数・数学学習に週1回参加して関与観察を行った。その結果はエピソード記述にまとめた。エピソード記述は、現象学の理念を背景にした研究方法である。これらのエピソード記述の複数のデータから、学級文化の形成やその説明に特徴的なエピソードを論文化し、日本数学教育学会第55回秋期研究大会にて発表した。しかし、現象学的手法についての説明が不十分であったため、研究手法についての理解が得られなかった。また、年度当初の学級文化の様相と年度末の学級文化の様相の差異は、アンケート調査によってデータ収集を行った。そのデータは現在分析中であるが、データ分析の結果、学級文化の変化が明らかにできると思われる。
算数・数学学習の深化に学級文化や子どもの情動がどのように寄与するのかについての理論的考察を行った。身体化認知と算数・数学学習との関連についての理論研究をもとに、香川県・岡山県内算数・数学教師で組織する研究会「授業デザイン研究会」で複数回にわたって議論を行いその成果の一端を論文化した。論文は日本科学教育学会第46回年会にて発表した。その結果、身体化認知の知見が算数・数学学習に寄与することは同意が得られつつあるが、理論的一貫性の面でまだ問題点が認められた。情動と理解深化のつながりの論理的一貫性に不明瞭な部分があるためである。この論理的一貫性をより明確にしていく必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

算数・数学学習における学級文化を生成する重要な要素を身体化認知の視座から考察を進めていることは、すべての子どもの深い理解を目指す算数・数学学習の基盤となると考えられる。そのため、年間を通した小1・小4・中1の関与観察から得られたデータからの実践的研究と、身体化認知の視座からの理論的研究の双方によって現在研究を進めていることは、本研究の目的達成のために大きく寄与すると考えられる。そのため上記区分とした。

Strategy for Future Research Activity

理論的研究は、身体化認知の視座からの算数・数学習の深化についての考察と、レヴィナスの哲学に基づく算数・数学学習の主体化についての考察を進める必要がある。身体化認知の視座からの考察では、情動と算数・数学学習の深化についての論理的つながりがまだ弱いため、このつながりを明確なものにする。レヴィナスの哲学と算数・数学学習の主体化の関係については、社会的規範、社会数学的規範(McClain & Cobb、2001)の視点から、分析を行う。
実践的研究は、小2・小5・中2の各学級で週1回の参与観察を行い、データ収集を行う。数学教育における価値観研究のレビューも元にしながら、その考察を深める。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] 社会的実践を志向した数理科学教育の理念:民主主義的な活動と市民性育成の視点から2022

    • Author(s)
      松島充、山口武志、西村圭一、島田功、鈴木和幸
    • Journal Title

      日本科学教育学会年会論文集

      Volume: 46 Pages: 91-94

    • DOI

      10.14935/jssep.46.0_91

    • Open Access
  • [Journal Article] 身体化認知の視点から見た比例的推論の基礎の形成:年長児の事例研究を通して2022

    • Author(s)
      松島充
    • Journal Title

      日本科学教育学会年会論文集

      Volume: 46 Pages: 191-194

    • DOI

      10.14935/jssep.46.0_193

    • Open Access
  • [Journal Article] 現象学的手法を用いた学級文化の分析:長期的な関与観察による事例研究2022

    • Author(s)
      松島充
    • Journal Title

      日本数学教育学会第55回秋期研究大会発表集録

      Volume: 55 Pages: 49-52

URL: 

Published: 2023-12-25  

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