2022 Fiscal Year Research-status Report
国際的な人権教育モデルの探求 -日米英の大学における比較研究を基に-
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22K13721
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 美能 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60574168)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 人権教育 / 日本 / 米国 / 英国 / 国際的人権教育モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、人権教育に関わる文献分析を行いながら、英国・米国の大学で人権教育を実践している授業の聞き取り、および実際の授業見学を行った。 英国では、夏休み期間のため、授業見学ができなかったが、複数の大学を訪問し、人権というテーマで授業を実践する教員から実践上の取り組みや課題を聞き取りした。その中で明らかになったことは、人権というテーマで、小説を用いてフィクションを通じて人権課題を捉え・分析する取り組みが見られた。また、ヨーロッパやジェンダーの歴史を学びながら、人権課題を考えていく授業もあり、人権と一言で言っても、人権の歴史や人権とは何かといった人権に関する概論や各論以外にも、人権を学ぶ手法は多様であり、扱う教材も手法も多様であることが確認され、国際的な人権教育モデルを構築するうえで、新たな示唆が得られた。 米国の訪問調査では、1つの大学に絞り、複数の教員から人権に関わる授業で取り上げる内容、テーマ、参加学生の様子を聞き取りした。その後、授業を見学し、学生の参加時の様子や授業の進め方、取り上げる教材、教科書、内容について、詳しく情報を収集した。教育手法という点では、教員が講義する中で、学生が積極的に質問し、多角的な見方でテーマに対する議論が展開される様子が見られた。同時に、学生の参加意欲、人権に対する意識の高さを感じた。 2022年度は、英国・米国の人権教育の実態を把握するために調査研究を行ったが、同時に文献収集・分析、インターネットによる情報収集を行った。2023年度は、国際的な人権教育モデルの確立という最終目標に対して、より幅広い視点で文献収集、調査を継続し、研究を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、計画通り英国・米国の調査研究を実施することができ、文献分析も継続的に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2022年度に得られた知見をさらに深めていくことを目標に、文献分析、調査研究を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は物品費と人件費を使わず、調査研究にその分研究費を使用した。その結果、実際に多くの成果を得ることができた。2023年度も継続して研究成果をあげることを目標に、計画的に研究費を使っていきたい。
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Research Products
(10 results)