2022 Fiscal Year Research-status Report
心の問題を抱える児童生徒のストレングスアセスメントツールの開発
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22K13738
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
古長 治基 大分大学, 教育学部, 講師 (10849871)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ストレングス / 精神疾患 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
心の問題を抱える児童生徒への対応は現代の特別支援教育の喫緊の課題である。20歳未満の精神疾患総患者数は年々増加傾向にあり,病弱・身体虚弱教育の対象者の内,精神疾患及び心身症は 25%以上を占め,病類の中で最多の割合である。しかしながら,特別支援教育を担う教員が,必ずしも精神疾患に関する高い専門性を有しているとは限らず,教員の経験に頼らずに児童生徒の実態を正しく把握し支援に結びつけるためのアセスメントツールの開発が望まれる。2022年度はストレングス尺度項目の選定を計画した。項目の選定にあたっては文献調査を中心とし,国内外のアセスメントツールなども参照しながら検討した。その過程で,文献調査だけでなく,精神疾患の児童生徒に対する有効な支援について実態を調査する必要があると判断した。そこで,本年度は特別支援学校教員12名を対象としてインタビュー調査を実施した。インタビューでは,「精神疾患の子どもと最初に関わることになったときの状況」「当時の精神疾患のイメージ」「これまで担当してきた精神疾患の診断を持つ児童生徒について」「指導を工夫した中で成功したこと,失敗したこと」「関わる中での精神疾患へのイメージの変化」「精神疾患の子どもと関わる中での自分自身の変化」などについて半構造化面接を行った。精神疾患を有する児童生徒に対する教員の関わりについて,つまずきのポイントや教員側の成長のプロセスについて,データを分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレングス尺度項目の選定は次年度に持ち越すことになったが,インタビュー調査を実施できたのは大きな成果であり,これにより,実態に即したアセスメントツールの開発が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現在のインタビューデータをまとめつつ,ストレングス尺度項目の選定をさらに進め,アンケート調査を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
概ね想定通りの物品を購入できたが,PCの購入費等を若干安く抑えられたため,当該年度の所要額が計画をわずかに下回った。しかし,年度末の調査で,分析のための追加の図書が必要であると想定されたため,図書費等のために次年度使用を計画する。
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