2023 Fiscal Year Research-status Report
構音障害児を検査得点でスクリーニングできる構音検査の開発
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22K13740
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
中村 哲也 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (30645437)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 構音発達 / 健常幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、構音検査が客観的な数値として示され、年齢群ごとの正常範囲が示されるような構音検査を開発することを目的としている。そのために、構音検査で用いる適切な語彙を検討し選定を行うこと、構音検査の結果を得点化し健常の構音検査の得点分布や各音節の通過率を明らかにすることで、構音発達に遅れがあるかどうかを比較するための基準を作成する。構音検査の健常範囲が数値として示されることによって検査結果の解釈が容易となり、訓練の適応を判断する指標となること、保護者に分かりやすく説明が出来ること、訓練開始時と終了時に得点を比較することで訓練効果の指標として活用できること、数値化することで統計処理を必要とする研究データとして使用できるなど、検査者や被験児にも多くのメリットがある。 2023年度は2022年度に実施した構音検査のパイロットスタディのデータを分析し、パイロットスタディで使用した構音検査の自発反応率から不適切な語彙の変更やヒントの出し方の修正を行い、改訂した構音検査にて本調査を実施した。本調査では、3歳~6歳までの保育園児97名に構音検査と各種言語検査(音韻意識の発達、言語理解、言語表出、名前書字)を個別で実施した。現在、得られたデータを分析しているところである。また、構音発達に影響を与える言語機能について明らかにする目的で各種言語検査も構音検査と並行して実施しているが、まだ日本では評価基準がない名前の書字について、英語圏の研究を参考にその発達段階と評価方法について検討し、発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では2022年度~2023年度にかけて予備調査、2023年~2024年にかけて本調査を実施する予定となっている。2022年度はパイロットスタディが終了しており、本年度に本調査を実施しているため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年度に取った横断的なデータを分析し、学会発表・論文作成の予定である。また、当初の計画は横断的研究のみであったが、構音の誤りが発達に従ってどのように変化していくかを個別に追っている研究が日本ではほとんどないため、同一被験児のデータを継続的に取っていくことは大きな意義があると思われる。保育園の同意も得られていることから、本来の予定よりも1年超過することとはなるが、今回データを取らせて頂いた年少児の構音発達を2024年度と2025年度と継続して検査を行わせて頂くことで、3年間の縦断的なデータを蓄積していくことも予定している。
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Causes of Carryover |
データ分析のための業務委託料、もしくは統計ソフト購入の予定であったが、データの分析方法について検討中であるため、次年度使用額が生じている。次年度においては、データ分析の業務委託料か統計ソフトの購入費用に加えて、保育園へのデータ採取のための旅費、発表や情報収集のための学会への旅費などに使用予定である。
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