2022 Fiscal Year Research-status Report
専門学校における発達障害特性をもつ学生の支援ニーズならびに適応を支える要因の解明
Project/Area Number |
22K13744
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
齊藤 彩 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30794416)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害特性 / 専門学校 / 学生支援 / 支援ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門学校(専修学校専門課程)における発達障害特性をもつ学生の支援ニーズを明らかにし、発達障害特性が高い専門学校生の学校適応ならびに心理的適応を支える要因について実証的に明らかにすることを目的としている。 2022年度は、主として以下の2点の研究活動に従事した。 1. 専門学校における障害のある学生への支援の実態ならびに発達障害特性の高さをもつ学生の在籍状況や支援の実態を明らかにするために、全国の専門学校の学生支援担当者を対象とした質問紙調査を実施した。全国47都道府県に所在する900の専門学校に調査への協力を依頼したところ、280校から有効回答が得られた(回答率31.1%)。具体的には、障害学生支援を担当する部署や担当者の有無、障害学生支援について実施中の活動や取組、発達障害の診断を受けている学生の在籍状況ならびに支援状況、診断の有無を問わず発達障害特性の高さをもつ学生の在籍状況ならびに支援状況等について尋ねた。 2. 専門学校における障害のある学生への支援の実態ならびに発達障害特性の高さをもつ学生の在籍状況や支援の実態について、より詳細に把握することを目的として、16校の専門学校の学生支援担当者を対象としたインタビュー調査を実施した。診断の有無を問わず発達障害特性の高さをもつ学生の在籍状況ならびに支援状況等について詳細に尋ねるとともに、各学校で実施している支援に関する活動や取組、現在の問題点、今後の課題等について聞き取りを行った。 上記の2つの調査で得られたデータについて、現在、データの入力ならびにクリーニング作業、分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施する予定であった2つの調査(専門学校の学生支援担当者を対象とした質問紙調査ならびにインタビュー調査)を当初の計画通りに実施することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。本年度に取得したデータについては、現在、入力ならびにクリーニング作業を進めており、可能な限り早く分析を行い、研究成果を発表できるように進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、次年度は、専門学校生を対象とした2回の質問紙調査を実施する予定である。具体的には、専門学校生の発達障害特性(ASD特性、ADHD特性、LD特性、DCD特性)、学校適応ならびに心理的適応、メンタルヘルス、学校や家庭で得られるサポート等について包括的に測定し、高い発達障害特性をもつ専門学校生の適応を支える要因について実証的に明らかにしていく。 また、2022年度に実施した質問紙調査ならびにインタビュー調査で得られた結果については、学術雑誌への投稿や学会での発表を積極的に行い、広く社会に発信していくように努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により対面開催予定の学会がオンライン開催となったため、旅費の一部が不要となった。また、分析に必要なPCならびに統計ソフトについては、より最新の適切な物を購入するため、本格的に分析を行う次年度以降に購入することとした。次年度使用額については、2回の質問紙調査の実施費用ならびに分析用のPC・統計ソフトの購入費用に充てる。
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