2023 Fiscal Year Research-status Report
専門学校における発達障害特性をもつ学生の支援ニーズならびに適応を支える要因の解明
Project/Area Number |
22K13744
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
齊藤 彩 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30794416)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害特性 / ASD / ADHD / SLD / DCD / 専門学校 / 学校適応 / 学生支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門学校(専修学校専門課程)における発達障害特性の高さを示す学生の支援ニーズを明らかにし、発達障害特性が高い専門学校生の学校適応ならびに心理社会的適応を支える要因について実証的に明らかにすることを目的としている。 2023年度は、主として以下の2点の研究活動に従事した。 1.発達障害特性の高さを示す専門学校生の学生生活における適応やサポートの実態、レジリエンスとしてはたらく要因等の関連メカニズムについて明らかにするために、全国の専門学校生を対象としたオンライン質問紙調査を実施した。主な測定内容は、発達障害特性(ASD特性、ADHD特性、SLD特性、DCD特性)、メンタルヘルス、学校適応感、レジリエンス、ソーシャルサポート、主観的学業成績、専門学校への進学理由、進路予定等であった。縦断データによる多変量解析を行うため、2023年9月ならびに2024年1~2月の2回にわたる縦断での質問紙調査を行った。第1回目の調査では、1072名の専門学校生より回答が得られた。第2回目の調査では、255名の専門学校生より回答が得られた。現在、鋭意分析ならびに論文化を進めている。 2.昨年度実施した「専門学校の学生支援担当者を対象とした質問紙調査」ならびに「専門学校の学生支援担当者を対象としたインタビュー調査」で得られたデータの分析を進め、研究成果について論文執筆ならびに学会発表を行った。論文は既に学会誌への投稿を完了し、現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に実査を予定していた2回にわたる縦断質問紙調査を当初の計画通りに実施することができ、1回目の調査では1000名を超える専門学校生のデータを収集し、2回目の調査でも250名以上の専門学校生のデータを収集することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。2023年度に収集したこれらのデータについては、現在、入力ならびにクリーニング作業を終え、鋭意分析を進めている最中である。可能な限り早く分析を完了し、研究成果を広く発信できるように努めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度になるため、当初の計画に沿って、これまでに実施した①専門学校の学生支援担当者を対象とした質問紙調査、②専門学校の学生支援担当者を対象としたインタビュー調査、③専門学校生を対象とした縦断質問紙調査の研究成果をとりまとめ、各学校等に配布するフィードバック資料を配布する。また、研究成果ついて多領域の人々に発信するための発表の場を企画・開催することを予定している。さらに、研究成果については、学術雑誌への投稿や学会での発表を積極的に行い、広く社会に発信していくように努める。
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Causes of Carryover |
対面開催予定の学会がオンライン開催となったため、旅費の一部が不要となった。また、開催地未定であった学会の開催場所が比較的近辺であり、旅費の一部が不要となった。次年度使用額については、研究成果をまとめたフィードバック資料の作成費ならびに研究成果の発表の場の開催費に充てる予定である。
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