2022 Fiscal Year Research-status Report
知的障害児のワーキングメモリに対する長期記憶の関与の解明と支援
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22K13747
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
大井 雄平 常葉大学, 教育学部, 講師 (40802997)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 知的障害 / ワーキングメモリ / 長期記憶 / 長期知識 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
ワーキングメモリは情報を一時的に保持しながら操作する認知機能であり、知的な活動を支えるものである。ワーキングメモリは短い間しか保たれず、また、厳しい容量制約がある点で長期記憶と対照的であるが、両者は密接に関連していることが理解されてきた。ワーキングメモリと長期記憶の関係は、近年においても改めて注目を集めるトピックとなっている。 知的障害児を対象とした研究では、彼らがしばしばワーキングメモリの弱さを示すことが報告されてきた。しかしながら、長期記憶との関係に注目した検討は十分に行われていない。知的障害児のワーキングメモリが長期記憶とどのように関連し機能するのかを明らかにすることは、知的障害児におけるワーキングメモリの特徴や彼らへの教育支援のあり方をさらに理解する上で有意義と考えられる。 本研究では、長期記憶が知的障害児のワーキングメモリにどのように関与するのかを明らかにし、最終的には得られた結果に基づいた教育支援方法を検討することを目的としている。本年度は、ワーキングメモリに対する長期知識(語彙)の関与を検討するために、特別支援学校に在籍する知的障害児を対象として、一連の実験課題を行う調査を実施した。調査は支障なく進行しており、次年度も同様に必要なデータを収集する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りに調査を実施し、データを収集することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き調査を進行し、知的障害児と定型発達児のデータ収集が完了した段階で分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画には遠方での調査を含めていたが、近隣の特別支援学校での調査のみで十分とすることができたこと、調査に必要な物品の購入が最小限に留まったことが次年度使用額が生じた主な理由である。次年度には、調査を効率的に進行するための物品費や調査旅費等として使用する予定である。
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Research Products
(12 results)