2022 Fiscal Year Research-status Report
モーション認知技術を活用した幼児の基本的動作評価システムの検討
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22K13757
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
橋元 真央 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (80804153)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 発育発達 / 教育工学 / 幼児 / スポーツ科学 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現代の子どもの健康課題に着目し、特に日本の教育課程における早期のヘルスリテラシー育成の現状に鑑み、保幼小接続期における健康教育の加速的促進を図ることを目標としている。そこで、モーション認知(動作解析)技術及びICT(情報通信技術)を活用した、個人や集団の「身体運動の可視化」による教育実践に着目して、幼児の基本的動作評価システムを構築するために必要となる基礎的な知見を蓄積することを目指し、1)幼児の基本的動作(姿勢・歩行・走行・跳躍等)について定量化を行ない、2)学習者(幼児)の動作評価システムを構築し、3)システムの有用性を検証することで実装性の高い健康教育プログラムの実践を提案することを目的としている。 今年度は、4D Motion Sports(PTシステム)を用いた運動の測定について、アメリカのジョージア工科大学Human Neuromuscular Physiology Laboratoryと共同で、青年10名と幼児~児童10名を対象に実証実験を開始した。屋内外での立位姿勢、走行、片足ケンケン跳び、投動作等基本動作時の運動の角度・大きさ・スピードを分析対象とし、左右差に着目している。 しかしながら、現時点で特にセンサーの着用方法と測定の所要時間に課題が生じており、早期解決に向けて検討中である。このような動作評価システムの幼少児への応用は、前例が少ない為研究の新規性・有用性は高いが、慣性センサー自体の子どもへの適応状況からシステムのアップデートが必要であることが明らかになり、想定より慎重に進めていかざるを得ない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
急激な円安の影響を受け、動作解析システムとして採用した4D Motion Sports(PTシステム)の購入時期が大幅に遅れた(令和4年7月から令和5年1月に遅延)ことによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児の運動獲得過程における発達特性を評価するにあたって、基本動作の利き側・非利き側の左右差に着目して分析を進める。その為に、コントロール群として青年期の健常者も研究対象とし、幼児後期~学童期との比較を行なう。 2023年度は、前半に評価項目の策定と、動作獲得状況の評価の妥当性を検討する。後半から2024年度前半にかけて測定精度の検証を開始し、評価システムのモジュールの作成を進める。
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Causes of Carryover |
研究機器の購入が約6か月遅れたことによる実験開始時期の遅れによって次年度使用額が生じている。翌年度申請の助成金と合わせて、主に実証実験時の旅費(交通費)及び研究成果報告に係る経費として使用予定である。
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