2022 Fiscal Year Research-status Report
デジタルネイティブのための実験動画を紹介するAIを活用した基礎AI教育
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22K13768
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 綱紀 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (00834425)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | VR動画 / 物理実験動画 / 基礎AI教育 / チャットボット / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、AI(人工知能)を専門としない学生も含めたデジタルネイティブに対する、全学必修の基礎AI教育において、前向きな学習姿勢を引き出して自身の将来に役立つという認識を持ってもらうことである。そのために、自身の所属学科におけるAIの活用方法を調査したうえで独自のAIの活用方法を提案する問題解決型(Project-Based Learning, PBL)形式のグループ学習や、物理実験動画(よりデジタルネイティブの興味を惹くために仮想現実技術の導入も検討する)を紹介するチャットボットの改善策の考案を通して、自身の所属学科のみならず、AIへの主観的重要性と有効性や興味も引き出せないか検証する。 実験動画を紹介するチャットボットは、多数の動画が収録された動画データベースが存在する時に、初めて存在価値が出てくる。そのため、研究初年度の2022年度は測定条件や撮影角度、再生速度などを少しずつ変更しながら実験を撮影・編集して、物理実験動画の数を増やしていった。さらに、デジタルネイティブの興味を惹くために、仮想現実技術を用いた実験動画作成に挑戦したところ、立体視動画やYouTubeアプリを用いて視聴する360度動画を開発することができて、KIT物理ナビゲーションで公開した。Virtual Reality (VR)動画を視聴するVRウェブアプリのプロトタイプの開発にも成功した。 基礎AI教育の授業内では、既に開発済みのKIT物理ナビゲーションのチャットボットを用いて上述のPBLを実施した。その結果、学生自身の専門分野とAIとの関連性や、AIを用いたアイデア創出の可能性について、PBLを実施しなかった2021年度の結果と比較して、肯定的な回答割合の増加が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験動画を紹介するチャットボットは、多数の動画が収録された動画データベースが存在する時に、初めて存在価値が出てくる。そのため、研究初年度の2022年度は測定条件を少しずつ変更しながら実験を撮影して、物理実験動画の数を増やしていった。ひとつの実験を様々な角度から撮影したり、同じ動画でも再生速度を調整(スロー動画など)したりすることでもバリエーションを増やした。また、例え実験が失敗したとしても、失敗する条件が存在することも教育的には意味があるので、失敗実験動画などもデータベースに加えた。 さらに、デジタルネイティブの興味を惹くために、仮想現実技術を用いた実験動画作成に挑戦したところ、立体視動画やYouTubeアプリを用いて視聴する360度動画を開発することができ、KIT物理ナビゲーションで公開した。Virtual Reality (VR)動画を視聴するVRウェブアプリのプロトタイプの開発にも成功した。仮想現実技術を導入した物理実験動画の開発は、当初の計画では2022年度中に実行するのを目指しており、2023年度中にその実験動画を増やす計画だった。 しかし、2022年度前学期にはVR動画の開発方法が確立され、実験装置を購入して新しい物理実験をテーマとした撮影もほぼ完了した。現在は、実験動画の編集作業中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、物理実験動画の編集を完成させた後、チャットボットのプロトタイプを開発する。基礎AI教育の授業内では、2022年度と同内容の取り組みを実施して、データの信頼性を高める。 2024年度は、基礎AI教育の授業内での実践内容に、開発した物理実験動画を紹介するチャットボットのプロトタイプを活用していく。 もし、チャットボットの開発が遅れた場合は、引き続きKIT物理ナビゲーションのチャットボットを用いてPBLを実施するつもりである。
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Causes of Carryover |
計画を前倒しして物品の購入を初年度後半に集中させた結果、最終的な支出額の把握に手間どって年度末ぎりぎりとなり、約350円ほど残額が生じてしまったからである。 2023年度の物品の購入や学会発表などの費用として使用する予定である。
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Research Products
(12 results)