2022 Fiscal Year Research-status Report
社会物質性アプローチに基づく保育者養成における子育て家庭支援教育プログラムの開発
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22K13772
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Research Institution | Hamamatsu Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
北本 遼太 浜松学院大学短期大学部, その他部局等, 講師 (90896367)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会物質性 / 状況論 / 子育て支援 / 専門家教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子育て支援を担う専門家としての保育者の養成のために、社会物質性アプローチに基づき、保育者養成校における子育て家庭支援に関する教育プログラムを開発し、実装し、その効果について評価・検証を行う。この目的に即し、「①専門家養成校の教育プログラム開発のための方法論整備」、「②地域の子育て家庭のアレンジメントの調査と介入」、「③教育プログラムの評価・検証」を設定し、当該年度においては①と②を以下の通りに実施した。 ①については、社会物質性アプローチをテーマとした発達心理学会第34巻特集号(2024年12月刊行予定)の責任編集を務め、日本における該当アプローチにもとづく研究の収集と整理を進めている。この特集号に、社会物質性アプローチにもとづく介入研究に関する寄稿論文を準備し、理論的な整備を進めた。また、本アプローチを国際的にけん引するミカリス・コントポディス氏の著作の翻訳の出版を進め、学校教育における社会物質性に注目する視点の理論的な整備を行なった。 ②については、静岡県島田市に所在する放課後児童クラブを行うNPOへのフィールド調査をゼミ学生とともに実施し、子育て家庭が置かれた現状の把握及びその支援に必要な資源の調査を行なった。この調査を通して、子ども自身がありのままでいることが出来る「居場所づくり」を子どもとともに行うことの必要性やそうした「居場所」は支援する側にも必要であることをゼミ学生とともに明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した①および②が当初の予定通りに進展しているため。特に②の子育て支援を行う組織との連携については、今後も引き続き学生によるフィールド調査が可能であり、このようなネットワークが形成できたことは本研究が目指す「ネットワーカー」としての実感を伴うような教育プログラムの開発には重要な進展であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
①については、2024年12月刊行予定の特集号の社会物質性アプローチの事例や理論の整理を進める。これをもとに本研究で実施する教育プログラムの特徴の比較検討を進める予定である。②については、今年度実施したNPOとの連携をもとに「子ども/保育者の居場所づくり」をテーマにフィールド調査及び支援資源の開拓を進める予定である。③教育プログラムの評価・検証については、フィールド調査及び資源の開拓を実施したゼミ学生に対する調査を実施し、保育者養成校のアレンジメントの中で教育プログラムがいかに位置づくのかを検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は、ゼミ学生を伴ったフィールド調査を複数回行う予定であったが、コロナ禍の状況において補講や実習期間の変更などがあり、フィールド調査を1回しか実施できず、旅費や調査のための物品費に余剰が出来たため。 次年度は、コロナ禍も落ち着き、例年通りの学校行事スケジュールになる予定であるため、学生を伴ったフィールド調査を今年度実施できなかった分を含めて行う予定である。
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