2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of experiential learning type engineering ethics education program using welding practical training with fracture test
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22K13778
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
原 紳 宇都宮大学, 工学部, 助教 (60650629)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 欠陥のモデル化 / 不正を働く心理の洗い出し / 影響範囲への配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においては、溶接内部欠陥のモデル化及び、製作が容易でかつ、同様の作業を被験者に行わせた場合、欠陥の発生する頻度の高い条件の洗い出しを重点的に行った。 具体的には、被験者にとって、一見単純に見える作業で、実際に行うと欠損が発生しやすくする条件として 1 平行に並べた薄肉鋼管の溶接作業を被験者に行わせ、特に初期段階での溶接作業及び確認を難しくする、 2 溶接の作業評価として強度や外観とともに作業の速さを示し、早く終わらせることで評価が上がるという心理的状態を与える この2点を利用すると、作業中に微細な欠陥が発生しやすく、次工程で見えなくなるために放置されやすいため、その部分をモデル化した人工欠陥サンプルと完ぺきな溶接サンプルとの比較で、欠陥を放置してしまったことの重要性に気付かせることができる また油圧プレス装置を用いた簡易な破壊試験装置を作り、その破壊プロセスを観察しつつ、高度な測定装置を用いなくても、溶接個所の可否を実感できるようにした。実験数は本年度も学生フォーミュラ活動に参加する学生数が非常に少なく、また授業の一環で本プログラムに参加できるような仕組みを設けたが、参加者は非常に少なく、データの取得には苦慮している。しかしながら体験者は工学倫理の根底である、「自己の良心に照らして行動する」ことの重要さの気付きを実感している。このことから本研究の水平展開(作業完了後には作業者以外に知ることの困難な欠陥の洗い出し)を検討したい
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験数には届いていないが、技術的な問題解決は順調に進み、隠ぺいした内部欠陥の引き起こす問題を被験者に実感させ、作業の本質を見据えた作業の重要性を知り、ひいては工学倫理感の礎となる意識の滋養には効果があることが実感できた。
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Strategy for Future Research Activity |
授業プログラムとしては、一般的な15週に及ぶ期間では、溶接欠陥の隠ぺいだけではコンテンツが不足しているこを感じた。このことから最終年度は工学教育関連の学会発表や意見交換を通じ、水平展開や教育効果の評価に関し研究を行う
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Causes of Carryover |
令和4年度に余剰となった予算の繰り越しがあったため、本年度も想定より若干ではあるが、余剰となった。これまで実施できなかった学会発表費用に、本年度は充当する予定である
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