2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of qualities and abilities necessary for science learning through the practice of cross-curricular programming education
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22K13786
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
板橋 克美 崇城大学, 総合教育センター, 助教 (10847403)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 教科横断的 / 資質・能力 / 科学的推論力・思考力 / Computational Thinking / 理科 / 技術科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、プログラミング学習をすることにより、学習者の科学的推論力・思考力は向上するか検証することである。科学的推論力・思考力は、理科学習において必要な資質・能力であるが、我が国の子どもたちはこれらの力に課題があることが報告されている。一方で、我が国のプログラミング教育では、基盤的な資質・能力の一つであるプログラミング的思考力の育成と、教科の内容をより確実に身につけさせることがねらいとされている。本研究では、プログラミング的思考力の育成が科学的推論力・思考力の育成に資するのではないかと考え、中学校理科と技術科が連携した教科横断的なプログラミング教育を実施し、これらの資質・能力の向上度の相関について分析する。 本年度は、以下の2点について検証した。 (1)プログラミング能力および科学的推論力・思考力の測定の方法に関して文献調査を行い、本研究の評価方法について検証した。 (2)タブレット端末を整備し、それを活用した大学生対象のプログラミング学習を実施し、大学生のプログラミング能力と科学的推論力との相関を検証した。 (1)の文献調査では、理科授業でのプログラミング教育の有用性を改めて検証した。また、プログラミング能力としてComputational Thikingを定量的に評価する方法、および科学的推論力を評価するための調査問題紙について検証した。これらを用いて、(2)におけるプログラミング学習を通して、プログラミング能力と科学的推論力との相関を調査した。ここでは、本学にタブレット端末を整備し、それらを活用した中学校理科の気象分野におけるプログラミング学習を実施した。その結果、2つの能力には正の相関があり、科学的推論力が高く、形式的操作に長けている学習者ほど、プログラミング能力が高いことが明らかとなった。これらの研究成果については、複数の学会にて報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の研究計画では、本年度に実践校へ依頼した上で、理科と技術科が連携したカリキュラム・マネジメントまで行う予定であった。しかし、現場教員の多忙さに加え、異動などの不確定要素を背景に、実践校選定が難航し、カリキュラム・マネジメントを行うことができていない。今後、実践校への依頼を行い、現場教員と協働して、カリキュラム・マネジメントを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
学会や研究会を通じて、熊本県のみならず、他県の公立中学校や私立中学校に依頼し、実践校の選定を行う。実践校へ依頼後、Web会議システムを活用してカリキュラム・マネジメントを進めていく。カリキュラム・マネジメントを行いながら、当初の予定通り、2023年度9月から教科横断的なプログラミング教育を実施していく。その中では、現場教員と連携しながら実施方法・評価方法について検証を行う。
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Causes of Carryover |
学会に関して、複数の学会がオンラインになったため、少しだけ余りが生じた。
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