2023 Fiscal Year Research-status Report
5年一貫のユニークな高専教育を活かしたコロナ禍を題材としたESD授業の開発と実践
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22K13788
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
川端 光昭 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40795176)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 公共交通 / 交通まちづくり / ESD / コロナ禍の経験 / 地域課題解決型授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,コロナ禍を題材とした授業プログラムを設計・実践することで「防災と持続可能な社会の構築」に関わる資質の涵養に関わる効果を検証し学術的知見を得ることにある.コロナ禍を取り扱った他の研究蓄積も増えていることを踏まえ,研究で取り扱うテーマを拡張しながら授業実践に向けたデータ収集を進めた.具体的には次に示す2点に取り組んだ. (1)「公共交通が多様な行政部門に果たす役割」を題材とした授業設計向けた調査と分析:公共交通のクロスセクター効果に着目して調査を実施し,身近な交通モードであるコミュニティ交通(いわゆるコミュニテイバスやデマンド交通)の多面的価値の認識について調査を実施した.その結果,自家用車やバス交通に対する態度にもとづき類型化を試みた結果,4つのグループに分類できた.この知見は学生を対象としたものではないものの交通需要マネジメントにおけるターゲット層の特定において重要であり実務的観点からも意義があると考える.このことから現在,査読付論文への投稿準備中である.一方で,これらの類型化の結果を踏まえた授業教材を作成しており,2024年度中に授業実践に取り組む予定である. (2)リニア新幹線に関するアンケート調査:2022年度から上記(1)とは別の授業テーマとして大規模公共プロジェクトであるリニア新幹線を扱っている.2023年度は,岐阜県駅を拠点とした観光交通における県北地域へのアクセス性向上に関わるWEBアンケート調査を実施した.この調査結果は授業教材作成の基礎資料として活用予定であり,現在,調査結果の分析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画から調査対象および扱うテーマの変更・追加をしており,授業実践は予定よりも遅れている.一方で,専門科目の学習進度に応じた学年別授業教材作成のためのデータ収集は当初予定よりも質・量ともに充実している.このことから,研究全体として概ね順調に進捗していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
授業教材を作成し,本年度後半に授業実践に取り組む予定である.また,教科教育学を専門とする大学教員と連携しESDの観点等から実践成果についてレビューを受け授業教材の改善に取り組む.一方で,過年度のWEB調査等の成果についてはテーマごとに有用なデータを得ていることから追加的な分析を進めながら査読論文としての成果発信に努める.
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Causes of Carryover |
2023年度に予定していた調査旅費がオンライン会議・連携研究者からの情報提供等で代替できたことから旅費を大幅に抑えることができた.節減した予算の一部は追加的な調査費用として使用予定である.
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