2023 Fiscal Year Research-status Report
博物館の自由研究支援事業の効果に関する研究 ―児童・生徒と学芸員による博学連携―
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22K13789
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
水野 大樹 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40769882)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自由研究相談 / 博物館 / 夏休み |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、昨年度に引き続き、博物館以外が主催する小学生向けの自由研究相談会に講師として参加し、アンケート調査を実施した。自身の所属する博物館において例年実施している自由研究相談会の認知度を調査したところ、知っていた者及び過去に参加経験のある者は、合わせて2割未満と低かったが、参加したいかといった質問に対しては、9割以上の者が参加を希望しており、非常に高い割合を示した。このことから、自由研究相談会への参加者を増やすためには、内容の充実だけでなく、周知に課題があることが明らかとなった。 また、今年度からは、博物館で実施している夏休み期間中の自由研究相談会の参加者に対しても、アンケート調査を実施した。その結果、自由研究の作品展等へ出展したいという、意欲的な参加者が多くみられたが、そのような参加者であっても、自由研究の実施に当たって学校の先生以外の指導を受けたことがあると回答した参加者は少いことが明らかとなった。一方で、作品展への出展を目指しているか否かにかかわらず、参加者の大半は、自由研究を進めるに当たって博物館へ相談した方が良いとの回答をしていた。 以上のことから、博物館が実施する自由研究支援事業は、自由研究の遂行に当たって有益に機能している可能性があるものの、児童・生徒が円滑かつ充実した内容で自由研究を遂行できるようにするためには、自由研究支援事業の認知度を上昇させるための取り組みが必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年4月からの人事配置の変更に伴い、引き続き調査・研究のための十分な時間確保が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、博物館における自由研究支援事業の認知度等を調査するとともに、認知度を上昇させるための取り組みを検討し、より多くの参加者にアンケート調査を実施できるようにする予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き、調査・研究のために十分な時間を確保することが困難な部署への配属となり、当初想定していた研究業務が十分に実施できなかった。詳細な調査項目の検討や十分なデータの確保ができなかったことから、昨年度に引き続き、当初予定していたコンピューターやデータ解析ソフトの購入を見送ることとした。 令和5年度までに実施できなかった内容については、令和6年度以降に実施する予定であるとともに、今後の調査業務については、効率的な実施に向けて手法や内容を改めて検討することとしたい。
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