2023 Fiscal Year Research-status Report

高齢ドライバに対する個人に最適化した運転介入に向けたメタ認知の適切さの評価

Research Project

Project/Area Number	22K13792
Research Institution	Nagoya University
Principal Investigator	小嶋理江名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (80872845)
Project Period (FY)	2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords	高齢ドライバ / CCDC / 類型化
Outline of Annual Research Achievements	本研究の目的は，態度等の心理変数や自身の心身機能をどう捉えているかの主観評価，実際の運転や認知機能等の客観評価と主観評価の対応から適切に自身を捉えているか（メタ認知のモニタリング機能），運転方略としての補償行動は適切か（メタ認知のコントロール機能）を用いてドライバの類型化を行い，総合的なドライバ評価を目指すことにある。前年度提案した主観的評価である多角的運転特性簡易型質問紙SQ-CCDC （Simplified Questionnaire - Comprehensively Captures Driving Characteristics，以下「CCDC」）から得られるランクを用いて，ドライバーの類型化を試みた。具体的には，CCDCの8つの変数（下位尺度）それぞれの下位尺度得点（和得点）から，前年度に提案したカットオフポイントに従ってランクを類推し，各回答者の８つの変数に対するランクを用いて，ランクを含めた変数間の関係について，視覚的に把握した（多重コレスポンデンス分析）。変数のプロットから，「補償行動意識軸（X軸）」と「安全運転適性軸（Y軸）」であると考えた。分析で算出されたサンプルスコアを用いて，クラスター分析（潜在クラス）を行ったところ，回答者は5つのクラスターに分類され，フェイス項目との関連からクラスターの特徴を明らかにした。クラスターは，補償行動意識低・安全運転適性高型（C1），補償行動意識中・安全運転適性高型（C2），補償行動意識高・安全運転適性高型（C3），補償行動意識低・安全運転適性低型（C4），補償行動意識高・安全運転適性低型（C5）であり，安全運転志向の高さや感情コントロール困難性の低さは，違反経験に影響する心理特性であること，女性に多く，男性に少ない等の明らかな特徴が見えたことから，性別の影響は排除できないこと等，明らかとなった。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason CCDCから得られるランクを用いた類型化について，詳細な検討に時間を要することとなった点と，今後の客観的評価との関係性の把握をしやすいよう，具体的な分析方法について模索していたため。
Strategy for Future Research Activity	認知機能や身体機能などの客観的評価についても，特徴から類型化を行い，類型化された主観的評価に対応させ，客観的評価と主観的評価の差異に焦点をあてる。
Causes of Carryover	使用額を超えないよう配慮し，結果的に少し残してしまうこととなった。より良い成果をまとめるためにも，情報収集や分析の検討会を行い，議論を深める予定である。