2023 Fiscal Year Research-status Report
耳介療法と認知行動療法を併用したセルフケアが大学生の睡眠・精神・学習に及ぼす効果
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22K13819
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
脇 英彰 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (50807899)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 耳介療法 / 認知行動療法 / 睡眠の質 / 抑うつ / 学習意欲 / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠関連疾患は学生にも多く、認知機能、精神状態、学習意欲にも悪影響を及ぼす。睡眠関連疾患の治療には薬物療法と認知行動療法(CBT)が推奨され、近年ではインターネットを用いたCBT(ICBT)が用いられてきたが、効果の発現までに時間がかかること、効果の小ささなどが問題となっている。一方、耳介療法は睡眠を改善することから、ICBTの問題点を改善できる可能性がある。そのため、ICBTと耳介療法の併用が大学生の睡眠、精神、学習意欲に及ぼす影響を検証することを目的としている。 方法としては、軽度の不眠を有する大学生に対して、無作為に2群に割付け、1ヶ月間(介入2週間、フォローアップ2週間)のランダム化比較試験を実施した。 主要評価項目は不眠重症度尺度(ISI)とし、副次評価項目は睡眠日誌、ピッツバーグ睡眠調査票(PSQI)、眠気尺度(ESS)、睡眠意識調査(DBAS)、抑うつ病尺度(PHQ-9)、学生版ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(UWESS)とすることで、大学生の睡眠、精神、学習意欲を評価した。耳介療法は入眠前に左の耳介に電極を貼り付け、100Hzの頻度で15分間実施し、ICBTは睡眠に対する行動変容を目的としてNECパーソナル睡眠コーチを用いた。 2022-2023年度では、72名を対象として研究を実施した。その結果、2週間後の睡眠や抑うつのスコアに改善がみられ、その効果は2週間後も持続していた。2024年度においてはさらに研究対象者を増やし、各評価項目の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は学生の生活環境や学習状況に大きな変化がない時期(授業期間中)に実施する必要があるが、諸事情によりICBTとして用いる「パーソナル睡眠コーチ」の契約と登録に時間がかかるため、当初予定していたよりも少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者を引き続き募集し、2022-2023年度に実施した研究を継続して行う。予定のサンプルサイズを満たしたのちに、主要評価項目であるISIや副次評価項目であるPSQI、ESS、DBAS、PHQ-9、UWESSの解析を行う。その上で、関連学会等への参加、発表、論文化に向けて作業を進めていく。
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Causes of Carryover |
諸事情によりICBTとして用いる「パーソナル睡眠コーチ」の契約と登録に時間がかかるため、研究対象者の募集人数が少なくなり、介入に関連する費用と謝金費用を予定より使用することができなかった。加えて、結果の解析や学会発表に関連する費用も使用できなかったため、今後は予定よりも研究対象者を増やし、介入、謝金、データ解析、学会発表などに助成金を使用する予定である。
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