2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of factors behind loneliness in persons with autism spectrum disorder: Implicit interpersonal orientation and acceptance from others
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22K13841
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 徹 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (10879969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 孤独感 / 潜在連合テスト / 対人志向性 / 受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、潜在的に他者を求める傾向を測る潜在連合テストと、他者からの受容感を測定する尺度の開発を通して、自閉スペクトラム症者が呈する高い孤独感の背景要因を明らかにすることを目的としている。まず、自閉スペクトラム傾向を測る尺度(AQ)から、他者や交流を求めている程度を尋ねている項目を参考に、単語を抽出し、潜在連合テストを開発した。この潜在連合テストを、自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者のそれぞれに実施してきた。目標人数(それぞれ25名)に達したら、今後解析を行う予定である。また、他者から自閉スペクトラム傾向が受容されているかどうかを測る自己評定尺度(Autism Acceptance Questions)を翻訳し、自閉スペクトラム者を対象に調査も行った。この調査は、バーミンガム大学との国際共同研究の一環として行われ、その調査計画はPreregistered protocolとして査読を経て、Plos oneに掲載された(Connor et al., 2021)。イギリスなど外国に比べて、日本は自閉スペクトラム傾向が受容されている傾向が低いことが示された。今後、潜在連合テストの得点と、顕在的な他者との関係志向性、孤独感の間の関係を検討し、自閉スペクトラム症者の孤独感がどのようなメカニズムで生成されているのかを詳細に検討していく予定である。そのことから、自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者が、それぞれ生きやすい対人環境とはどのようなものか、さらに自閉スペクトラム者の中でのタイプ分け・アセスメントに資する知見を得たいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者のデータをある程度取得することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き目標人数までサンプルを確保し、目標人数に達したら解析を行って、論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大によって、対面によるデータ測定を十分にできなかったことから、予定していた人件費などの支出がなかった。今後、データ測定を続けていく中で、人権費や謝金等で使用が増えていく予定である。
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Research Products
(3 results)