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2022 Fiscal Year Research-status Report

社交不安の注意プロセスにおける領域固有性仮説―注意プロセスへの介入効果の検証―

Research Project

Project/Area Number 22K13873
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

石川 健太  専修大学, 人間科学部, 助教 (20816334)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords社交不安 / 注意 / 視線
Outline of Annual Research Achievements

社交不安と全般性不安の共通の維持要因の一つとして,刺激に対して過度に注意を向ける,あるいは注意を逸らすことができないといった注意プロセスの問題がある。こうした注意プロセスへの介入方法として,注意バイアス修正法がある。しかし,注意バイアス修正法は,社交不安への介入効果が十分ではない。本研究では,社交不安をもつ人は社会的な刺激に対して特に注意プロセスの問題をもつという仮説(社交不安における注意プロセスの領域固有性仮説)を提案する。この仮説に基づき,社会的,非社会的な刺激に対する注意プロセスについて検証する。従来の手法の問題点を改善した介入手法を提案することが目的である。

初年度である2022年度は,社交不安における注意プロセスの領域性の問題について,空間ストループ課題を実施することで,その詳細を明らかにすることが目的であった。予備的な研究として,空間ストループ課題をもちいてヒトの視線や表情を操作した実験,あるいは動物やロボットなど,ヒト以外の視線刺激を用いた複数実施し,視線刺激に特有な注意プロセスを明らかにした。具体的には,視線刺激に対する特殊な注意特性は,対象との社会的な相互作用の知覚が関わること,視線刺激に対する注意処理はパーツベースによるものであることが明らかにされた。これらの研究成果は日本心理学会,電子情報通信学会,Psychonomic Societyなど国内外の学会にて発表した。さらにこれらの研究成果の一部は国際雑誌であるPsychonomic Bulletin & Reviewへと投稿し,論文の採択を受けることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス蔓延に伴う対応により当初予定していた研究計画の実施が困難であった。そのため実験計画を修正し,視線に関わる予備的な研究を実施することを余儀なくされた。しかし,実験計画の修正の段階で新たに着想を得た複数の実験を実施しデータを収集することができた。今後は現在行っている視線の注意特性に着目した実験結果を取りまとめ,学会発表や論文化を行う予定である。社交不安における視線刺激に対する領域固有性仮説を検証する上では,視線の注意特性を詳細に検討していくことが重要である。しかしながら,当初の研究計画では想定されていなかった実験を実施しているため,研究計画よりもやや遅れていると評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策としては,現在行っている視線に関わる注意特性の実験データをとりまとめ,その成果をもとに社交不安における領域固有性仮説を詳細に明らかにしていく。

Causes of Carryover

本研究計画において参加予定であった学術大会が、新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインでの参加を余儀なくされた。そのため渡航費用や滞在費の未使用額が生じた。今年度生じた未使用額については、次年度に学術大会の発表を行うための経費や実験実施やデータ解析を行うアルバイトの謝礼として充てる。実験機器の操作、適切なデータの取得や解析には専門的な知識が必要である。そのため、一般的な学生のアルバイトよりも高額な謝礼が必要であると考える。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Face inversion does not affect the reversed congruency effect of gaze2022

    • Author(s)
      Tanaka, Y., Ishikawa, K., Oyama, T., & Okubo, M.
    • Journal Title

      Psychonomic Bulletin & Review

      Volume: 0 Pages: 1-9

    • DOI

      10.3758/s13423-022-02208-8

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 視線手がかり課題における社会的促進2022

    • Author(s)
      小山貴士・石川健太・田中嘉彦・大久保街亜
    • Organizer
      電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)
  • [Presentation] 視線知覚におけるパーツベースの処理 ~ 視線空間ストループ課題による検討 ~2022

    • Author(s)
      田中嘉彦・石川健太・小山貴士・大久保街亜
    • Organizer
      電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)
  • [Presentation] Gaze Cues Trigger Social Facilitation2022

    • Author(s)
      Oyama, T., Ishikawa, K., Tanaka, Y. & Okubo, M.
    • Organizer
      Psychonomic Society 63nd Annual Meeting
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Are Eyes Special? The Reversed Spatial Stroop Effect on Gaze and Tongue Targets2022

    • Author(s)
      Tanaka, Y., Ishikawa, K., Oyama, T., & Okubo, M.
    • Organizer
      Psychonomic Society 63nd Annual Meeting
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 視線手がかりが誘発するパフォーマンス向上 覚醒度の指標となる瞳孔散大の測定と社会的促進による説明2022

    • Author(s)
      小山貴士・石川健太・田中嘉彦・大久保街亜
    • Organizer
      日本心理学会第86回大会
  • [Presentation] 視線のパーツベース処理が逆空間ストループ効果を生じる 倒立顔効果による検討2022

    • Author(s)
      田中嘉彦・石川健太・小山貴士・大久保街亜
    • Organizer
      日本心理学会第86回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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