2022 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic presentation of visual illusions
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22K13876
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高尾 沙希 早稲田大学, 理工学術院, その他(招聘研究員) (40879996)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 錯視 / 動的提示 / 文脈効果 / 大きさ知覚 / 実験心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
小さい円に囲まれている円は、中心の二つの円は物理的に同じ大きさにもかかわらず、大きい円に囲まれている円より大きく知覚される。近年、このエビングハウス錯視は周辺の円の大きさと刺激全体の位置を連続的に変化させる(動的提示)ことで、従来のエビングハウス錯視量の2倍以上となることが明らかとなっている。しかしながら、その過程については明らかになっていない。申請者の過去の研究において動的提示における錯視量の飛躍的な増加は、他の幾何学錯視では生じないことがわかっている。この動的提示には時空間的に連続的な変化を含むため、効果の増大が生じるエビングハウス錯視と減少または消失するその他の幾何学錯視では、錯視が生起するために必要な視覚情報統合時間に違いがあるのではないかと考えた。本研究では、エビングハウス錯視を用いて古典的な静的提示と動的提示時の錯視の生起に必要な視覚情報統合時間について調べることを目的とする。 初年度となる2022年度は、本研究で扱う錯視現象について視覚情報統合時間に関する研究の調査を行った。静的提示においては複数の研究を発見しているが、それぞれ刺激や条件の詳細が異なることを考慮し、改めて本研究で使用する設定について検討した。刺激の作成までは完了しているが、本務地の新型コロナウィルスによるデータ取得の制限のため、次年度からの本実験を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、過去の研究の調査およびデモの作成が完了しているため、概ね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本務地の異動があるため、まずは実験環境の整備を行った後、本実験の実施を予定している。得られた知見については随時、学会や学術論文での発表行う。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルスの影響により、データ取得の一部変更に伴い、実験実施のための謝金や物品の項目に関して使用額の減額があった。一方で、円安の進行により、予定していた学会発表等の旅費の支出が予定よりも大幅に増加した。差額分として少額の次年度への繰越を行なった。次年度は本務地の異動のため、新天地での実験環境の整備や実験実施に未使用分の支出を行う予定である。
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