2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13885
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
辻栄 周平 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60755099)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超平面配置 / 特性準多項式 / 特性多項式 / 交叉半順序集合 / デデキント整域 / 非結晶的ルート系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超平面配置の補空間の代数的構造を記述する基礎理論を構築することである。特に2022年度の目標は、有理整数環上の超平面配置の特性準多項式の理論を一般化し、代数体の整数環上(あるいは、もっと一般に剰余環が有限であるようなデデキント整域上)の超平面配置の特性準多項式の基礎理論を構築することである。特性準多項式の理論のうち、最も重要で興味深い物は結晶的ルート系に付随する超平面配置の特性準多項式である。超平面配置の定義環を有理整数環から代数体の整数環に拡大することができれば、非結晶的ルート系に関しても同様の議論が展開できるようになるなどの波及効果が見込める。 2022年度は研究協力者である日本文理大学の黒田匡迪氏と、定期的に研究打ち合わせを行い、研究を推進した。その結果、特性準多項式の一般化として満たさなけばいけない予期される性質のほとんどを証明することができた。これらの結果はプレプリントとしてまとめて公開済みであり、査読付きの論文誌へ投稿中である。 得られた基礎理論を用いて、非結晶的ルート系である H型のルート系に対する特性準多項式を求めてみると、結晶的ルート系に対する特性準多項式と同じようにコクセター数に関する対称性があることが分かった。しかし、なぜこのような現象が起こるのかの理解には至っていない。今後は、なぜ非結晶的な場合にも同様のことが起こるのかということについての理解を得ることを主眼とし、引き続き研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標通り、特性準多項式の知られている性質の多くについて一般化を行う事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
中心的超平面配置に対しては特性準多項式の理論を一般化することができたが、今年度は中心的でない場合については取り扱わなかった。中心的な場合と同様に一般化できることが予想されるため今後の課題とする。 また、H型の非結晶的ルート系の特性準多項式に現れる現象を理解するために、関連する研究分野の研究者に意見を求めながら研究を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)